研究課題/領域番号 |
21540478
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
嵯峨山 積 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 環境・地質研究本部・地質研究所, 研究職員 (90446352)
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研究分担者 |
山田 悟郎 北海道開拓記念館, 学芸部, 研究員 (00113473)
岡村 聡 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40175261)
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キーワード | 軟弱地盤 / 札幌市周辺 / 珪藻分析 / 花粉分析 / 火山灰分析 / 沖積層 |
研究概要 |
本研究の目的は、国の機関や地方自治体から地盤調査用の地質試料を提供してもらい、珪藻、花粉、火山灰、粒度の分析、放射性炭素年代測定により札幌市周辺(石狩平野)の軟弱地盤の層序や古環境、低地の発達過程などを解明し、地盤図作成や地震防災などに寄与することである。 研究期間は2009~2011年度で、今年度は補完研究と成果のまとめを行った。地質試料は札幌市東区の2本の掘削孔(北海道開発局札幌河川事務所提供)で採取し、珪藻・花粉・火山灰分析を行った。珪藻分析からは昨年度に地質試料を採取した西区のボーリングの沖積層基底は深度28.15m(標高-23.59m)で、深度21m(標高-16.44m)では淡水生種が多産し、海岸線側に分布する前田砂層の堆積開始時(約7,000年前)には一時的に淡水域となった可能性が考えられる。東区の沖積層基底は、B-4ボーリングで深度13.9m(標高-9.96m)、B-5ボーリングで深度14.85m(標高-9.75m)と推定され、周辺の同基底と比べ10~20mも浅いことが明らかになり、当時の谷地形を推定する資料となった。花粉分析からは、沖積層直下の冷涼な古気候が明らかになり、火山灰分析からは11.3万年前降灰の洞爺火山灰や約4万年前の支笏軽石流堆積物の層準が明らかになった。 成果公表は国際学会(国際第四紀学連合第18回大会)での発表をはじめ、口頭発表4件で、3年間の研究成果のまとめは学術雑誌に投稿中である。
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