研究課題
最終年度である平成24年度は,ウクライナ・ドネツ炭田と南部中国揚子炭酸塩プラットフォーム浅海相での研究成果の取りまとめを行った.ドネツ炭田地域では,MalonikolaevkaおよびZolotayaセクションのフズリナ,コノドント複合生層序データを基にドネツ炭田におけるMoscovian基底について精査した.これまでの検討では,両セクションではKスイート基底のK1石灰岩がMoscovian基底に対比可能であることが知られていたが,今回の検討でさらに下位のI2/2石灰岩からEofusulinaの祖先属であるVerellaと共にEofusulinaに同定可能な標本が複数得られた.ドネツ炭田では,従来Moscovian基底を定義すると考えられていた分類群について,フズリナとコノドントで初出に違いがある可能性が初めて示された.南部中国炭酸塩浅海相の宗地セクションではMosocvian~最下部ペルム系層準を検討し,フズリナ生層序を確立した.また検討層準のシーケンス層序について公表論文を作成し,その中で南部中国初となるサイクロセムを報告した.宗地セクションにみられるサイクロセムは,北米ミッドコンチネント地域で報告されているメジャーサイクロセムに対比される.さらにフズリナ生層序と南部中国および北米ミッドコンチネント地域のサイクロセム対比を統合することにより,南部中国のテクトニックな沈降について,従来の研究では把握することのできなかった非常に微妙な変動を読み解くことに成功した.その結果,南部中国ではMoscovian後半~Kasimovian中頃にかけて比較的大きな基盤の沈降があったが,Kasimovian後半には沈降が小さくなり,その後Gzhelian後期以降テクトニックな沈降が再び増加したことが明らかになった.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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