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2011 年度 実績報告書

下部マントルにおける3価鉄のスピン転移

研究課題

研究課題/領域番号 21540491
研究機関愛媛大学

研究代表者

藤野 清志  愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, グローバルCOE教授 (40116968)

キーワードスピン転移 / 結晶内交換反応 / X線発光分光法 / ペロブスカイト / ポストペロブスカイト / 下部マントル / 3価鉄
研究概要

下部マントルの様々な現象に大きく影響する鉄のスピン転移,特にMgペロブスカイト相におけるそれは長らく昏迷状態にあったが,最近2つの研究アプローチにより,この問題にもようやく解決の兆しが見えてきたと思われる,1つは,これまで2価鉄のスピン状態の解釈を2分してきたメスバウアー分光における四極子分裂についての理論的なアプローチであり,もう一つは3価鉄のスピン状態に大きな影響を及ぼす3価鉄とアルミの結晶内席交換反応についての実験的なアプローチである.我々は本課題研究で,これまで後者のアプローチでアルミを含むMgペロブスカイトとポストMgペロブスカイトにおける3価鉄のスピン転移の研究に取り組んできて,3価鉄とアルミのA,Bサイト間の交換反応が3価鉄のスピン状態に大きく影響する結果を得た.本年度は,いまだ十分に明らかとなってない,MgペロブスカイとポストMgベロブスカイトにおける3価鉄とアルミの結晶内席交換反応がどのような温度・圧力条件で起きるかに取り組んだ,実験はMgsio_3にFeAlO_3を固溶させたそれぞれの相の試料について,1600Kでアニーリングしたものと,もっと低温でアニーリングしたもの(Mgペロブスカイト)あるいはアニーリFングをしなかったもの(ポストMgペロブスカイト)について,放射光X線発光分光法及びX線回折法により取り組んだ,その結果,3価鉄とアルミの交換反応は,Mgペロブスカイトにおいては,温度が約1600K以上であれば圧力50-70GPa付近で容易に起きること,またポストMgペロブスカイトでも,温度1600K以上であれば圧力が70-110GPa付近で起きるであろうとの結果を得た.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Spin transition of ferric iron in Al-bearing Mg-perovskite up to 200 GPa and its implication for the lower mantle2012

    • 著者名/発表者名
      Fujino, K.
    • 雑誌名

      Earth and Planetary Science Letters

      巻: 317-318 ページ: 407-412

    • DOI

      10.1016/j.epsl.2011.12.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] MgSiO_3-FeAlO_3系ペロフスカイトの固溶メカニズムと結晶化学2011

    • 著者名/発表者名
      永井隆哉
    • 雑誌名

      日本結晶学会誌

      巻: 53巻 ページ: 8-12

    • 査読あり
  • [学会発表] Spin states of ferric iron in Al-bearing Mg-perovskite and post-Mg-perovskite in the lower mantle2011

    • 著者名/発表者名
      Fujino, K.
    • 学会等名
      American Geophysical Union
    • 発表場所
      The Moscone Center (San Francisco, USA)
    • 年月日
      2011-12-07
  • [学会発表] 下部マントル構成相における鉄のスピン転移2011

    • 著者名/発表者名
      藤野清志
    • 学会等名
      日本高圧力学会
    • 発表場所
      沖縄キリスト教学院(那覇)
    • 年月日
      2011-11-11
  • [学会発表] 下部マントルにおける鉄のスピン転移と構成相間の鉄の分配および相転移圧への影響2011

    • 著者名/発表者名
      藤野清志
    • 学会等名
      日本鉱物科学会
    • 発表場所
      茨城大学(水戸)
    • 年月日
      2011-09-11
  • [備考]

    • URL

      http://deep-earth-mineralogy.jp/

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公開日: 2013-06-26  

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