研究課題
本年度は、フランス・ポアチエ大学との共同研究で、続成作用、低度変成作用、および熱水変質作用といった低温で生成(したクロライトの化学分析値とメスバウワー法によるFe(III)の定量値を用いて、低温生成のクロライトに適用できる地質温度計を開発し、従来に温度計と比較して我々の開発した温度計の有効性を示した。この結果は米国粘土鉱物学会の雑誌に論文として公表した。さらに、提案した地質温度計の有効性を検討するために、北海道豊羽浅熱水性鉱脈鉱床と周辺変質帯に産するクロライトに適用した。その際、Fe(III)の分析には、八田珠郎博士(独 国際農林水産研究センター)との共同でX線光電子分光法を適用し、X線光電子分光法の有効性を確かめた。この研究の結果は、我々の提案した地質温度計は鉱床形成に伴う熱水変質作用にも有効であることが確かめられた。この結果もすでに資源地質学会誌の論文として公表した。さらに、学生と共同で、クロライトと共存する炭酸塩鉱物の炭素・酸素同位体測定を実施した。この結果については、現在取りまとめ中であり、近日中に論文として投稿する予定である。
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Resource Geology 60
ページ: 52-70
Clays and Clay Minerals 57
ページ: 371-382