研究概要 |
本年度は岩石中(岩石薄片中)の微小領域のサンプル採取法の開発,ホウ素の効率的分離方法の開発,および極微量サンプルでの同位体比測定の技術開発を行った。 1)本研究では,岩石中から目的の鉱物だけを効率よく採取する必要がある。このため,マイクロメートル単位で制御できるサンプルステージを備えた全自動マイクロミル装置を利用した。これを火山岩の班晶(かんらん石や普通輝石)へ適用し,微小領域のサンプルの採取技術に成功した。マイクロドリルによってできた粉末を効率よく回収するのに,特殊な吸引装置の導入を検討中である。 2)微量試料からのホウ素の効率的な分離技術を検討した。マイクロ昇華法を用いることにより,試薬や実験室雰囲気からのホウ素汚染をかなり抑えられることを確認した。 3)極微量のホウ素で同位体比の分析をできるように分析方法の検討を行った。100~200pgの極微量のホウ素を効率よく分析できそうなトータル・エバポレーション法を検討した。まだ試験段階であるが,スタンダードに関しては再現性のよいデータが得られた。
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