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2011 年度 実績報告書

自然環境下における海底メタンハイドレートの成長融解速度に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21540498
研究機関明治大学

研究代表者

長島 和茂  明治大学, 理工学部, 准教授 (70339571)

キーワードメタンハイドレート / 結晶成長 / 形態形成 / 凍上現象
研究概要

海底メタンハイドレートは、堆積物中に層状、粒状、塊状、分散状などの多様な形状で見つかる。結晶成長過程の形態形成を理解することは、生成のダイナミクスや環境条件を知る上で重要であるが、よく分かっていない。申請者は、THF水溶液とガラスビーズを混合したモデル系でのハイドレート成長実験により、すべての形状を再現し、定性的な形態形成モデルを提案した。ところが、系の単純化のためTHF-17H2Oという結晶組成の溶液を用いため、本年度は低濃度THF水溶液を用いてゲスト分子の拡散律速性の影響を評価する実験を行った。粒径2ミクロンのビーズを用いると層状の構造を形成するが、このときTHF濃度を低くすると、層構造の幅が狭くなることを実験的に示した。これは成長界面におけるTHF濃度の低下により成長が抑制された影響と考えられる。一方、層の間隔はTHF濃度によらず変わらなかった。このことから、濃度によらないファクターである含水比の分布が支配要因であると結論付けた。次に、ビーズに粒径分布があるときに形成する粒状や塊状という不定形の定量的評価法は確立していないので、今年度は画像処理・解析法を以下のとおり確立した。画像の二値化とノイズ(極めて小さな光の点)の除去の後、画像の特徴の支配要因である大きな結晶領域を抽出するために、平均面積をしきい値とする方法と全面積の90%まで採用する方法で大きな結晶領域を抽出した。そして、ハイドレートの凍上量、平均粒径や粒子数等を定量化し、成長速度依存性を示した。この結果、解析値のオーダーレベルが明確に3領域に分かれ、低速成長の塊状構造、中速の粒状、高速の分散状を定量的な方法で分類することに成功した。これは見た目の判断に依存しない点で優れており、他のモデル系や試掘の結果との比較に生かされるものと期待できる。さらに、実験的に形態を定量的に特徴付けたことで、今後、理論研究の進展を促すと期待する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [学会発表] コロイド懸濁液中でのハイドレート結晶の自己組織化パターンの形成2012

    • 著者名/発表者名
      村岡道弘、長島和茂
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶応大学日吉キャンパス
    • 年月日
      2012-03-27
  • [学会発表] THFハイドレートのケージ占有率の成長条件依存性2012

    • 著者名/発表者名
      宮田友哉、長島和茂
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶応大学日吉キャンパス
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] 二相境界面におけるTHFハイドレート結晶の成長過程の実験的研究2012

    • 著者名/発表者名
      後藤弘旭、村岡道弘、長島和茂
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶応大学日吉キャンパス
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] Pattern formation of methane hydrate in oceanic sediment2011

    • 著者名/発表者名
      M.Muraoka, K.Nagashima
    • 学会等名
      7th International Conference on Asian Marine Geology
    • 発表場所
      National Institute of Oceanography (CSIR), Goa, India
    • 年月日
      2011-10-11
  • [学会発表] 海底メタンハイドレートのパターン形成2011

    • 著者名/発表者名
      村岡道弘、長島和茂
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2011年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2011-05-22
  • [備考] 明治大学理工学部物理学科雪氷物理学研究室

    • URL

      http://www.isc.meiji.ac.jp/~icephys

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公開日: 2013-06-26  

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