研究課題
VAWPリアクタの高圧側電極は放電領域の上側にあるため、水/セラミック電極をVAWPリアクタの高圧側電極として用いるためには、水を放電領域の上に蓄える仕組みが必要になる。これを実現するために、粒状のセラミックをバインダで結合した中にパイプ状の金属電極を仕込んだ構造の電極を試作した。パイプ状の金属電極に高圧を印加しつつ、ここから水を供給すると、粒状セラミックの粒間の間隙に水が蓄えられ、この蓄えられた水を介して表面に通電し、最も外側のセラミック粒が水/セラミック電極におけるセラミック部材の働きをして、ここにアークが終端し電極として働くことを実験により確認した。これにより、VAWPリアクタの高圧側電極として水/セラミック電極の適用の可能性を確認することができた。また、放電によりセラミック部材が溶融する超高温状態を簡単に得ることができる特長を活かし、この超高温状態のセラミックを反応場として、これによる新材料の創製を試みるべく、水/セラミック電極による放電を密閉された容器内で起こすことができる実験装置を試作し、開放雰囲気下におけるのと同様の放電ができることを確認した。今後、容器内の雰囲気ガスや、水/セラミック電極に供給する水、あるいは放電プラズマ領域に、気体・液体・固体の各種材料を混入させ、超高温状態のセラミックを介するこれらの相互の反応による新たな材料の創製を実験により試みることが可能になった。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 49 ページ: 040211-1-040211-3