研究課題
水/セラミック電極による放電において、セラミックが溶融する超高温状態を容易に得ることができる特長を活かし、これをアスベスト含有建材等の難溶融物質の溶融処理技術、および、有害・危険廃棄物の溶融無害化処理技術への応用を図るべく、種々の放電実験装置の試作を行った。1つは、アスベスト含有建材等が実際に建築物に用いられている状態を想定して、天井面や壁面に対して放電部を接近させ、天井面や壁面の表面の耐火建材を溶融するための電極構造の装置を試作した。これによる放電実験の結果、1A程度の放電電流(この場合、放電電力は数kW)の放電強度で、アスベストと同等の耐火性能を有する代替試料に対して、これを溶融して有害性の原因となっている結晶構造を完全に破壊することが可能であることを確認した。また、試料と放電電極の相対位置を順次移動させることにより、平板状の試料に対して連続的に溶融部を走査し、一定の面積にわたって溶融処理を施すことが可能であることも確認した。また、医療廃棄物等の効率的な溶融無害化処理を想定して、種々の形状・材質の被処理物を連続的に放電部に供給して順次溶融処理を行うための装置を試作して実験を行った。その結果、被処理物中への水の含浸の程度、および、被処理物の電気伝導性によって溶融の程度が大きく影響を受けることが判明し、これらによる影響を抑え、被処理物を確実に溶融するための装置構造的工夫がさらに必要であることが明らかとなった。雰囲気制御のできる容器内での放電による新材料の創製については、実際の放電実験を実施するためには、装置の改良がさらに必要であることが判明し、装置を鋭意準備中であり、H23年度末段階では、実際に原料ガス等を導入して実験するには至っていない。
すべて 2011 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
Jpn. J. Appl. Phys
巻: 50 ページ: 060211
DOI:10.1143/JJAP.50.060211
Jpn.J.Appl.Phys.
巻: 50 ページ: 090206
10.1143/JJAP.50.090206
IEEE Transactions on Plasma Science
巻: Volume 39,(Issue 11) ページ: 2638-2639
DOI:10.1109/TPS.2011.2160361