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2009 年度 実績報告書

初期構造を規定したプロトン化ペプチドにおけるプロトン・水素原子移動反応の直接観測

研究課題

研究課題/領域番号 21550016
研究機関神戸大学

研究代表者

石川 春樹  神戸大学, 理学研究科, 准教授 (80261551)

キーワード水素結合クラスター / プロトン移動反応 / フェノールーペプチドクラスター / 赤外分光
研究概要

本研究では,凝集系や生体内における反応の中でも基礎的で重要なプロトン/水素原子移動反応に着目し,長距離のプロトン/水素原子リレー反応のモデル系としてペプチド鎖に沿ったリレー反応の観測を計画した。プロトン/水素原子移動反応についての研究は国内外を問わず非常に盛んになってきているが,生体関連分子のように一つの分子内で多くのプロトン受容/供与基がある場合には分子内での長距離のプロトン/水素原子リレー反応に興味が持たれる。そこで本研究では,フェノールとの中性クラスターをイオン化することで,プロトン付加位置つまり初期構造を規定したプロトン化ペプチドの生成とそこで起きるプロトン/水素原子移動反応の観測を行い,反応の詳細の解明を目的とした。初年度である平成21年度は,その第一段階としてまずフェノール-アミノ酸クラスターの生成方法の確立と,中性基底状態におけるクラスターの構造の決定を行った。実験に先立ち,量子化学計算により中性状態,カチオン状態の安定構造を求め,想定している反応の可能性を確認した。レーザー蒸発法を用いてアミノ酸を気化し,バッファーガスとの衝突によりクラスターを生成,冷却した。質量スペクトルから目的とするクラスターの生成を確認し,赤外スペクトルの測定と量子化学計算の比較から,目的とするアミノ酸のカルボキシル基側に水素結合した構造を取っていることが明らかとなった。現在の生成法ではクラスターの冷却が不十分であり,装置の改良を進めているが,ほぼ当初の計画通り研究が進行している。また,本研究の基礎となる7-アザインドール互変異性型二量体のプロトン移動反応に関する研究も進展し,論文発表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Infrared Spectroscopy of Jet-Cooled Tautomeric Dimer of 7-Azaindole : A Model System for the Ground-State Double Proton Transfer Reaction2010

    • 著者名/発表者名
      H.Ishikawa, H.Yabuguchi, Y.Yamada, A.Fujihara, K.Fuke
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry A 114

      ページ: 3199-3206

    • 査読あり
  • [学会発表] 水素結合クラスターを用いたペプチド内プロトン移動反応の研究2010

    • 著者名/発表者名
      薮口紘基・石川春樹・藤原亮正・冨宅喜代一
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会(2010)
    • 発表場所
      近畿大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-03-28
  • [学会発表] 水素結合クラスターを利用したペプチド内プロトン移動反応の研究2009

    • 著者名/発表者名
      薮口紘基・石川春樹・藤原亮正・冨宅喜代一
    • 学会等名
      第3回分子科学討論会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県)
    • 年月日
      2009-09-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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