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2011 年度 実績報告書

分子機能制御を目指した多重入力、多重出力型応答機能分子の創出

研究課題

研究課題/領域番号 21550031
研究機関弘前大学

研究代表者

伊東 俊司  弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10213042)

キーワード合成化学 / 酸化還元系 / 電気化学 / 相転移 / イオン認識
研究概要

本研究課題では、分子状物質の応答機能が、物質の持つ第2の応答機能により制御された多重入力、多重出力型応答機能分子の構築を目指して検討を行ってきた。
平成23年度は本研究課題の最終年度として、熱的な刺激に対する応答機能との複合化に、完全なホメオトロピック配向を示す特異なディスコチック液晶相の発現に至ったこれまでの研究成果を基に、良好な電子的な応答機能が期待されるフタロシアニン骨格をコアとして、長鎖アルキル基の置換した酸化還元活性なアズレン末端基を複数個結合したフタロシアニン誘導体の合成を検討し、低収率ながらも期待されるフタロシアニン誘導体の合成に至った。
また、我々が提案してきたシアニン-シアニンハイブリッド構造による分子設計指針に則り、アズレン末端基を持ったハイブリッド型カルボカチオンを構築することで、三段階の良好な電気化学的な応答機能(エレクトロクロミズム挙動)を示す酸化還元系の構築に成功した。ハイブリッド型カルボカチオンの形成は溶媒の液性に依存するハロクロミズム等、複合する領域の拡張に期待がもたれる結果と考えられる。
また、酸化還元活性な蛍光性の発色団として、長鎖アルキル基の置換したポリフェニレン骨格の構築を検討してきた。その結果、環状のアセチレン化合物を基に、長鎖アルキル基の置換した環状のポリフェニレン骨格が構築できることを見出した。その過程で長鎖アルキル基を持ったビフェニル型の化合物が固体状態においても強い蛍光を示すことが明らかになった。酸化還元機能ならびに光応答性機能との多重応答機能について期待がもたれる結果と考えられる。さらに、電気化学的な応答機能とナノ構造体の形成との複合機能の構築を目指して、化学合成によるカーボンナノチューブセグメント構築への検討を進めた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Recent Advances in the Development of Methods for the Preparation of Functionalized Azulenes for Electrochromic Applications2011

    • 著者名/発表者名
      S.Ito, T.Shoji, N.Morita
    • 雑誌名

      Synlett

      ページ: 2279-2298

    • DOI

      10.1055/s-0030-1260316

    • 査読あり
  • [学会発表] カーボンナノチューブセグメント構築を目指した環状ポリフェニレン化合物の合成2012

    • 著者名/発表者名
      浅井伸太朗・工藤俊・沼田雅幸・伊東俊司・川上淳
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会(2012)
    • 発表場所
      慶応義塾大学日吉・矢上キャンパス(横浜市)
    • 年月日
      2012-03-28
  • [学会発表] 熱・光・電子応答機能を示すアズレン誘導体の合成2012

    • 著者名/発表者名
      小橋力也・上田真央・伊東俊司・川上淳
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会(2012)
    • 発表場所
      慶応義塾大学日吉・矢上キャンパス(横浜市)
    • 年月日
      2012-03-28
  • [学会発表] 環状ポリフェニレン化合物を経たカーボンナノチューブセグメント構築への合成化学的アプローチ2012

    • 著者名/発表者名
      浅井伸太朗・工藤俊・沼田雅幸・伊東俊司・川上淳
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会(2012)
    • 発表場所
      慶応義塾大学日吉・矢上キャンパス(横浜市)
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] アズレンの特性を利用した熱・電子機能分子の開発2011

    • 著者名/発表者名
      小橋力也・伊東俊司・川上淳
    • 学会等名
      平成23年度化学系学協会東北大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(仙台市)
    • 年月日
      2011-09-18
  • [学会発表] 液晶相を示すアズレン誘導体の合成2011

    • 著者名/発表者名
      上田真央・小橋力也・伊東俊司・川上淳
    • 学会等名
      平成23年度化学系学協会東北大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(仙台市)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] キラル型カーボンナノチューブセグメント構築を目指した環状アセチレン化合物の合成2011

    • 著者名/発表者名
      工藤俊・浅井伸太朗・沼田雅幸・伊東俊司・川上淳
    • 学会等名
      平成23年度化学系学協会東北大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(仙台市)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] アームチェア型カーボンナノチューブセグメント構築を目指した環状アセチレン化合物の合成2011

    • 著者名/発表者名
      浅井伸太朗・工藤俊・沼田雅幸・伊東俊司・川上 淳
    • 学会等名
      平成23年度化学系学協会東北大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(仙台市)
    • 年月日
      2011-09-17

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公開日: 2013-06-26  

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