研究概要 |
ロタキサンは,環と軸間に共有結合を持たないことから,環がモノレールのように軸上をスライドすることや外的な環境に応じ特定位置に環を固定することも可能である.本研究では,この環の運動や特定部位に固定化することにより発現される性質に関する基礎検討を実施した.その結果, 1.新しいロタキサンシステムのためのポルフィリン2量体の形成, 2.ポリロタキサンのフィルム化, 3.複数の環を持つロタキサンユニットの合成,並びに, 4.液性変化に対して選択的かつ可逆的に環が可動するロタキサンスイッチの構築にそれぞれ成功した. ロタキサンの語句説明:環状の分子の内部に直線状の分子が入り込み, 2個の構成成分間に共有結合を持たずとも1分子を形成する化合物をロタキサンと言う.
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