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2011 年度 実績報告書

螺旋自己組織化と階層的自己集積化による高次構造形成と機能発現

研究課題

研究課題/領域番号 21550041
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

大北 雅一  名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60211786)

キーワード螺旋構造 / 自己組織化 / 階層的集積化 / 超分子化学 / オリゴマー / 複素環 / パイ電子系 / 分子プログラミング
研究概要

本研究では、ポリペプチドの水素結合に基づくα-ヘリックス構造の形成と類似した、しかし異なる原理に基づく分子内自己組織化による螺旋形成と、さらなる分子間自己集積化による階層的高次構造形成を人工的な機能性パイ電子系を構成単位として、独自の分子プログラミングに基づいて達成することを目的としている。すなわち、自己組織化を組み込んだ新しい物質構築原理の確立、複数の非共有結合性相互作用の共存・精密制御による高次構造形成、構造特異性と高次構造性および電子的特性に基づく新機能開発を目指した。研究を進める過程で、チオフェン環の2,5-位とピリジン環の2,6-位と交互に連結したストランドがシソイド配座を優先することを3環性化合物のX線結晶構造解析により確認した。この結果は9環性以上の化合物が自発的に螺旋構造を与えることを示唆するため、4位に可溶性基を持つピリジン誘導体を用いて十分な溶解度と結晶性を併せ持つ螺旋自己組織化分子の合成を進めた。最終的に、ピリジン環のPotts合成法と鈴木カップリングによる連結を組み合わせて1回転以上の螺旋構造を取り得る9-、11-、および15環性化合物の合成を達成した。これらの^1HNMRスペクトルでは、螺旋構造とならない短いストランドと比較して、芳香族プロトンの高磁場シフトが観察され、溶液中での自発的螺旋形成が示唆された。さらに、15環性化合物のROESYスペクトルでは、螺旋構造を取った際に空間的に近接する全てのプロトンシグナル間にクロスピークが観察され螺旋形成が支持された。これらの成果は一件の学会発表として報告した。この螺旋形性は、報告例の少ないS…N相互作用によるものと考えられ興味深い。また、ストランドが硫黄と窒素の孤立電子対を内孔に向けて自発的にイオンチャンネル様の構造を形成している点で注目される。この内孔の直径はおよそ10Åであり、さらなる機能化や応用が期待できるため、今後も継続して研究を進める計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Photophysical Characteristics of 4,4'-Bis(N-carbazolyl)tolan Derivatives and Their Application in Organic Lightemitting Diodes2011

    • 著者名/発表者名
      Masakazu Ohkita
    • 雑誌名

      Journal of Luminescence

      巻: 131 ページ: 1520-1524

    • 査読あり
  • [学会発表] ピリジン-チオフェン交互オリゴマーおよびマクロサイクルの合成研究2012

    • 著者名/発表者名
      大北雅一
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      20120325-20120328
  • [学会発表] アセチレン拡張2,1,3-ベンゾチアジアゾールオリゴマーの合成、構造および性質2012

    • 著者名/発表者名
      大北雅一
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      20120325-20120328

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公開日: 2013-06-26  

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