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2009 年度 実績報告書

10属一価遷移金属多核錯体の構造と発光特性に関する結晶化学研究

研究課題

研究課題/領域番号 21550065
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

小澤 芳樹  兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 准教授 (40204200)

キーワード光励起構造 / 多核金属錯体 / 銅錯体 / 単結晶X線構造解析 / 放射光 / フォトルミネッセンス / トリフェニルホスフィン / 銀錯体
研究概要

1. キュバン形構造を持つ発光性ヨウ化銅(I)四核錯体の多形結晶の構造と発光挙動の温度依存性の研究
(1) [Cu4I4L4](L=トリフェニルホスフィン)において、異なる発光色を示す単斜晶系(黄緑)および立方晶系(青緑)の二種類の多形結晶を見いだした.結晶構造解析により,発光挙動に関係する錯体分子の中心にあるCu4I4キュバン骨格の大きさが多形間で異なることを初めて明らかにした.
(2) 多形結晶の室温~78Kの発光色と結晶構造の温度依存性について測定した.単斜晶系結晶の発光色は温度低下に伴って長波長に移動し,78Kでは橙色になったが,立方晶系ではほとんど変化がなかった.この違いについて、発光極大エネルギーと4つの銅原子でつくるCu4四面体の大きさとの相関に注目し,Cu4四面体体積が縮小するにつれて発光極大エネルギーが低下することを初めて系統的に明らかにした.
(3) 結晶中でのキュバン骨格の構造変化は,錯体分子の外側を取り囲むトリフェニルホスフィン配位子の分子間相互作用により,その影響が配位子と直接結合する銅原子でつくるCu4コアサイズの変化をもたらすことが明らかになった.
2. ピリジンチオール誘導体架橋の銀(I)銅(I)混合一価六核錯体の合成と発光特性に関する研究
(1) [Ag(6-n)Cu(n)(Et-pyt)6](n=1~3; Et-pyt=エチルピリジンチオール)の初めて合成し,その結晶構造を明らかにした.分子構造は、銀および銅6核錯体と同様の構造を持つことが明らかになった.
(2) これらの錯体は、固体状態で紫外線照射下で橙赤色の発光を示す.その発光極大は単一でAg/Cuの比によってエネルギーがシフトし,金属原子の組み合わせによって発光を制御できる可能性を見いだした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structure an Electronic Configuration of an Iron(II)Complex in a LIESST State : A Pump and Probe Method2009

    • 著者名/発表者名
      Sheu, C.-F., Chen, K., Chen, S.-M., Wen, Y.-S., Lee, G.-H., Chen, J.-M., Lee, J.-F., Cheng, B.-M., Sheu, H.-S., Yasuda, N., Ozawa, Y., Toriumi, K., Wang, Y.
    • 雑誌名

      Chemistry-A European Journal 15

      ページ: 2384-2393

    • 査読あり
  • [学会発表] 結晶中で柔軟に変形するキュバン型銅(I)錯体[Cu_4I_4(PPh_3)_4]の構造と発光挙動2009

    • 著者名/発表者名
      北川白馬, 小澤芳樹, 川村春樹, 赤浜裕一, 鳥海幸四郎
    • 学会等名
      日本結晶学会2009年会
    • 発表場所
      関西学院大学, 西宮キャンパス
    • 年月日
      20091205-20091206

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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