研究課題「ゲルマニウム置換白金(II)錯体の万華鏡反応の解明のため、以下の2点について研究を行った。 (1)ゲルマニウム置換白金(II)錯体の万華鏡反応の一つである、トランス脱離反応を解明するため、ビス[p-アニシル)フェニルゲルミル]白金(II)錯体を合成し、構造をNMRなどの方法とX-線結晶構造解析の方法を融合させ明らかにし、その構造がトランス体である事を明らかにし、熱反応を行った。反応生成物が還元的脱離生成物である、ジゲルマン、であるかどうか現在同定中である。 (2)ゲルマニウムと同族であるケイ素化合物を用いた一連の化合物の合成を行った。アリールケイ素白金錯体(II)の合成は、これまでと異なり段階的にケイ素を導入する方法でなければ合成できない事が分かった。この方法を用いて、ビス(トリフェニルシリル)白金錯体およびビス(m-トリルシリル)白金錯体の合成に成功し、構造を分光学的手法とX-線結晶構造解析で明らかにした。これら化合物を用いた、異性化反応、置換基の転位反応、及び炭素-水素活性化反応について研究を行っている。またビス(o-トリル)シリル白金錯体、ビス(p-トリル)シリル白金錯体の合成方法は、従来法および新規合成法でも難しく、新しい合成方法を開発中である。
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