研究概要 |
ゲルマニウム置換白金錯体(II)の万華鏡反応の解明の為、最も単純な系、[PhMe2Ge]2PtL2および[Ph2MeGe]2PtL2(L=PhMe2P)を合成し、その反応を検討した。何れの錯体においても、最も単純なフェニル基移動反応生成物が主として得られた。続いて、ベンゼン環状のメチル基の位置により、様々な反応様式を示す要因を明らかにするため、o-tolyl基をモデル化合物に取り、[(o-tolyl)Ph2Ge]2PtL2,および[(o-tolyl)2PhGe]2PtL2(L=PhMe2P)を合成し、o-tolyl基特有の炭素-水死結合活性化反応が立体的な要因で起きるか、電子的な要因で起きるか検討した。生成物の詳細な検討の結果、立体的要因が大きい事がわかった。現在、異常なトランス体から還元的脱離を起こす事が観測されている系において、同じように、立体的要因を考慮した錯体、[(p-tolyl)Ph2Ge]2PtL2,および[(p-tolyl)2PhGe]2PtL2(L=PhMe2P)を合成し、検討している。
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