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2010 年度 実績報告書

温度変調ボルタンメトリーによる液液界面イオン移動のエントロピーの研究

研究課題

研究課題/領域番号 21550077
研究機関信州大学

研究代表者

樋上 照男  信州大学, 理学部, 教授 (50143821)

研究分担者 巽 広輔  信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (60336609)
キーワード液液界面 / 油水界面 / イオン移動ボルタンメトリ / 温度変調ボノセタンメトリー / 標準イオン移動エントロピ / 微小界面 / He-Neレーザー / 半導体レーザ
研究概要

液液(油水)界面における温度変調ボルタンメトリー(TMV)を装置面から改良した。具体的には,以下の改良を行った。1)直径30μmの複数の穴をもつポリエステル膜による微小界面を採用し,良好なS/N比の直流及びTMボルタモグラムの測定を可能にした。2)油相の支持電解質としてクリスタルバイオレット塩を用いて油相を青く着色し,油相がHe-Neレーザー光(波長633nm)を吸収できるようにした。これにより,従来,熱源として使用していた紫外線レーザー光によるポリエステル膜の劣化がなくなり,長時間にわたる実験が可能となった。3)He-Neレーザーの代わりに安価で比較的高出力(30mW)の半導体レーザー(波長532nm)を用い,これを電気的に制御するTMVを開発した。これにより,He-Neレーザー光を断続するための機械的断続器を使用する必要がなくなるとともに装置全体を小型化することができた。
1),2),3)の改良により,液液界面のTMVは汎用的測定法として完成したと考えられる。一方,完成したTMVにより,各種イオンの直流及びTMボルタモグラムを測定し,イオン移動の標準自由エネルギー,標準エントロピー及び標準エンタルピーを決定した。具体的には,以下の検討を行った。4)第4級アンモニウムイオンと各種陰イオンを測定対象として,これらの標準自由エネルギー,標準エントロピー及び標準エンタルピーを決定した。得た熱力学的変数を基に,油相及び水相でのイオンの溶媒和や水の構造を考察した。5)各種ジピリジニウムとピリジニウムイオンの標準自由エネルギー,標準エントロピー及び標準エンタルピーを決定し,これらのイオンの置換基効果を考察した。4),5)は分析化学や溶液化学の基礎となるイオンと溶媒の相互作用を知ることになり,意義あるものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Thermal Modulation Voltammetry at a 1,2-Dichloroethane/Water Microinterface Using Visible Laser Heating with Optically Absorbing Supporting Electrolyte2010

    • 著者名/発表者名
      Shoko Furuhashi, Yui Terauchi, Naoko Makita, Hirosuke Tatsumi, Teruo Hinoue
    • 雑誌名

      Anal.Chem.

      巻: 82 ページ: 6717-6720

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Current Generation by Fullerene in the Presence of Tetraphenylborate at a Nitrobenzene|Water Interface under Illumination with a Fluorescent Light2010

    • 著者名/発表者名
      Shoko Furuhashi, Yui Terauchi, Naoko Makita, Hirosuke Tatsumi, Teruo Hinoue
    • 雑誌名

      Chem.Lett.

      巻: 39 ページ: 1104-1105

    • 査読あり
  • [学会発表] Determination of standard entropy change of ion transfer across1,2-dichloroethane|water interface by thermal modulation voltammetry using visible laser heating2010

    • 著者名/発表者名
      Yui Terauchi, Hirosuke Tatsumi, Teruo Hinoue
    • 学会等名
      Pacifichem2010
    • 発表場所
      Hawaii, America
    • 年月日
      2010-12-17

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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