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2009 年度 実績報告書

イオンチャネルを介した膜透過についての新規解析法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 21550079
研究機関京都大学

研究代表者

白井 理  京都大学, 農学研究科, 准教授 (40355011)

キーワードイオンチャネル / 脂質二分子膜 / グラミシジンA / アンホテリシンB / リポソーム / KAT 1チャネル
研究概要

細胞内外の物質収支と電気的中性の原理を念頭において、膜を貫通したイオンチャネルにおけるイオン透過についての新規解析法の構築を試みた。
1.グラミシジンAを含む平面脂質二分子膜を介したイオン透過(白井、窪田(M2))
二分子で一つのイオンチャネル(孔径約4Å)を形成するグラミシジンA(GA)を平面脂質二分子膜に添加し、GAによるイオンの膜輸送について検討した。少数個のGAチャネルが存在する系で、膜電位印加時の単一チャネル電流の大きさと開確率について統計学的に評価した。GAチャネルはカチオン選択性と言われてきたが、対イオンも同時に逆方向へカチオンの1割程度であるが移動することを明らかにした。カチオンの透過選択性については、チャネル孔より大きなイオンは孔を塞いでしまうため流れにくくなることが分かった。また、GAはキャリアとしても働き、ベースラインの上昇はそれによることを明らかにした。さらに、これらの知見をもとに植物孔辺細胞の気孔開閉に関与するK^+チャネルKAT1の活性評価を試みた。
2.アンホテリシンBを含む平面脂質二分子膜を介したイオンの透過(白井、山内(M1))
アンホテリシンB(AmpB)はステロール類と1:1で結合し、これが複数集まり、平面脂質二分子膜中にイオンチャネルを形成することが知られている。AmpBチャネルはグルコースや塩化物イオンなどを透過することは報告されていたが、本研究により各種有機酸イオンも膜透過することを見出した。このとき、対イオンであるカチオンと同時に逆方向へ有機酸イオンは移動したが、チャネル孔径より小さなイオンの方がより透過しやすいことが判明した。さらに、チャネル孔径より大きなイオンは透過しないことをリポソーム内からのそれらのイオンが移動しないことからも確認した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Electrochemical elucidation of the facilitated ion transport across a bilayer lipid membrane in the presence of neutral carrier compounds2010

    • 著者名/発表者名
      J.Onishi, O.Shirai, K.Kano
    • 雑誌名

      Electroanalysis (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ion transport across a bilayer lipid membrane in the presence of hydrophobic ions2009

    • 著者名/発表者名
      O.Shirai, S.Ozaki, J.Onishi, N.Kozai, T.Ohnuki, K.Kano
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 38

      ページ: 1038-1039

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 分極曲線・サイクリックボルタンメトリー(5)生物電気化学2009

    • 著者名/発表者名
      辻村清也、白井理
    • 雑誌名

      Electrochemistry 77

      ページ: 486-492

    • 査読あり
  • [学会発表] 膜内メディエータと膜結合型酵素との電子移動反応2009

    • 著者名/発表者名
      笹倉啓資、白井理、加納健司
    • 学会等名
      電気化学会
    • 発表場所
      東京農工大学(東京都)
    • 年月日
      2009-09-11
  • [学会発表] グラミシジンAチャネル透過電流におけるイオンの分配と膜内拡散に基づく評価2009

    • 著者名/発表者名
      窪田慎太郎、白井理、加納健司
    • 学会等名
      電気化学会
    • 発表場所
      東京農工大学(東京都)
    • 年月日
      2009-09-11
  • [学会発表] 生体膜の機能評価2009

    • 著者名/発表者名
      白井理、加納健司
    • 学会等名
      電気化学会
    • 発表場所
      東京農工大学(東京都)
    • 年月日
      2009-09-10
  • [学会発表] 中性キャリアによる脂質二分子膜2009

    • 著者名/発表者名
      大西純、白井理、加納健司
    • 学会等名
      日本分析化学会
    • 発表場所
      和歌山大学(和歌山県)
    • 年月日
      2009-05-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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