2007年の糖尿病患者が890万人、疑わしい人が1320万人いるとされており、注目すべき社会問題である。通常尿タンパクの検出はTBPBを含浸させた試験紙を用いる判定量法で行われているが、精度は悪い。また一般的には24時間採尿が求められているが、タンパクの変質等で正確性に欠ける。そこで、精度が高く、高感度で簡便に尿タンパクを定量するシステムを構築した。ここで報告するシステムはアルブミンとクレアチニンを逐次測定し、最終的にはアルブミン/クレアチニン比(ACR法)を求め、判定する方法である。Eosin YはpH2.5で黄色であるが、アルブミンと会合体を形成し、λ547nmに吸収を持つ化合物を生成する。またクレアチニンは強アルカリ性でピクリン酸と赤色(λ500nm)の化合物を生成する。これらを検出するするシステムとしてシーケンシャルインジェクション(SI)法を適用し、逐次定量するプロトコールを自作した。シリンジ作動によりスイッチングバルブの#2よりエオシンを、#3よりアルブミン(尿試料)を、また#5よりピクリン酸を、#6より、クレアチニン(尿試料)を吸引しHCに保持、この試薬ゾーンを3回往復し混合し、生成物のゾーンを吸光検出器に導入し、それぞれの波長で吸光度を測定する。アルブミンは0~20mgL^<-1>の、またクレアチニンは0~100mgL^<-1>の検量線が得られた。
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