新規ルテノセニルホスフィン配位子(R-Phos)のジシクロヘキシル類縁体(CyR-Phos)とPd(dba)_2から触媒前駆体を調製する際に芳香族臭化物を添加すると、触媒前駆体の安定性ばかりでなく触媒活性も顕著に向上することを見いだした。立体的または電子的に不活性化された芳香族塩化物およびアミノクロロピリジン類とアリールボロン酸との鈴木-宮浦反応に本触媒を用いると、わずか0. 025-0. 1mol%の触媒量で反応が完結した。また、R-Phosのホスフィンゼレニド誘導体のJP-Se定数の測定とX-線構造解析を行い、その触媒活性化機能が主に立体的かさ高さに由来することを明らかにした。
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