研究概要 |
高分子生体材料のin Vitro MRIから得られる情報として磁気緩和時間T_1、T_2がある。従来のMRIはこれら2つの情報しか活用してこなかった。本研究ではこれらに加え、化学シフト情報を活用する。化学シフトは分子レベルでの化学構造情報を反映するため、化学シフト情報をin Vitro MRIに反映することによる恩恵は計り知れない。しかし、in Vitro MRIのみではスペクトル分解能が制限されるため、同時に高分子生体材料の固体及び溶液高分解能NMRスペクトルを測定することにより、よりスペクトル分解能の高い化学シフト情報を取得し、これとin Vitro MRIを組み合わせることにより、分子レベルでの化学構造の空間情報を得るMRIスペクトロスコピー法を確立する。^1H核のみならず、^<13>C,^<31>Pなどの他核を測定することにより、より詳細な分子レベルでの化学構造情報を得る。 さらに、高分子生体材料として重要となるin vivoでの作用に関する評価を明確にするために、in vivo MRIから得られる情報と比較評価を行い、実際の高分子生体材料評価法として用いるが可能かを確認し、必要に応じin Vitro MRIとNMRスペクトロスコピーによるMRIスペクトロスコピー法の調整を行う。 本年度はこのin Vitro MRIとNMRスペクトロスコピーの併用法を^1H-NMRを用いて実サンプルで高分子生体材料の解析に用いる手法を検証した。
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