研究概要 |
不均一電界を利用したずり圧電高分子素子の実現(高圧電材料の機能化) H22年度までに,具現化した大きな圧電率用い,計画に従い,前例のない実用可能なアクチュエータの試作を試みた. キラル高分子圧電体に電界を印加すると,配向試料の対称性から誘起されるずり歪の方向が決まる.ここで用いたL型ポリ乳酸(PLLA)の場合,延伸配向軸に垂直に電界を印加するとずり歪が発生する.即ち一軸配向PLLAfilm表面に垂直に電圧を印加しても,側面にずり歪が発生するだけで,曲げ動作などのアクチュエータ動作にならない.はじめに有限要素法を用い,効果的な電極配置を追及した.その中で,二電極配置,四電極配置をはじめに検討した.効率は二電極配置が高いが,変位方向を多軸にできる四電極が有効と判定した.更に試行錯誤を重ねた結果,矩形電極を表面に四箇所北半球に配置することが効率が高く,また新たな変位運動が可能であることが分かった.そこでこの結果を基にPLLA繊維表面に蒸着法で電極形成を試みた.さらに,我々は四電極をを表面に形成したPLLA繊維を,片端固定し,工夫した矩形電極を表面に施し,PLLA繊維アクチュエータを実際に作成した.これに正弦波信号を与えアンプ用い,変位振動させた.その応答変位を解析をした.これらの実験サイクルを重ね,試作実験を続けた結果,PLLA繊維アクチュエータに曲げ動作ばかりでなく新しく回転動作を誘起させることに成功した。
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