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2009 年度 実績報告書

ペプチドミメティックなC3対称性キラルボウルからの分子コンテナの構築と機能化

研究課題

研究課題/領域番号 21550129
研究機関千葉大学

研究代表者

赤染 元浩  千葉大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10261934)

キーワード超分子化学
研究概要

本研究は,ペプチドを模倣したC3対称のキラルなボウル型化合物を合成し,ホストーゲスト化学に新たなボウル型化合物のプラットホームを提供する。さらにキラルボウルを用いて分子コンテナ群へと展開し,ドラッグデリバリーシステムや分子フラスコなどの機能性物質群を構築することを目的とする。
本年度は,2-アミノフェノキシ酢酸の環状三量体がつくり出すボウル構造の特性を解明した。特に,溶液状態では水素結合によるフォールディングと側鎖の立体的効果からC3対称のボウル型構造を形成することを各種スペクトルから明らかにした。また,結晶状態では,アミド結合のひとつが反転して,四中心水素結合でボウル型構造を形成し,その内部にゲスト分子としてクロロホルムを包接することを明らかにし,学術論文に発表した。
さらに,新たなボウル型化合物として天然アミノ酸のロイシンとベンゼン環をもつβ-アミノ酸であるアントラニル酸と交互の縮合した環状ペプチドを合成した。これらの合成では,ロイシンのラセミ化が問題であったが,縮合試薬を検討して問題を解決し,光学活性な環状テトラおよびヘキサペプチドの合成法を確立し,分子力場計算による分子モデリングの結果と合わせて学会発表をした。今後,カプセル構造構築のため,これらのボウル型構造のリムとなるベンゼン環のニトロ化を検討していく。
また,コンテナ化に必要なボウルのリム部分への官能基の導入については,2-及び3-アミノフェノキシ酢酸の環状三量体で一つのカルボキシル基を有するボウル化合物の合成し,そのゲスト補足能について検討している。さらに,モノマーに導入したカルボキシル基をテンプレートと結合し,短工程のボウル構造ならびカプセル構築法を検討していく。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Predominant(S)-Enantioselective Inclusion of Aryl Methyl Sulfoxides by(S)-Isoleucyl-(S)-phenylglycines"2010

    • 著者名/発表者名
      Motohiro Akazome
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry Vol.65

      ページ: 660-665

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A cyclic trimer of 2-(2-aminophenoxy)propionic acid with abowl-shaped structure2009

    • 著者名/発表者名
      Motohiro Akazome
    • 雑誌名

      Tetrahedron Letters Vol.50

      ページ: 5382-5385

    • 査読あり
  • [学会発表] アントラニル酸とロイシンからなる環状ペプチドの合成と構造2010

    • 著者名/発表者名
      赤染元浩, 遠津正, 松本祥治
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会
    • 発表場所
      近畿大学(東大阪市)
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 2-(2-アミノフェノキシ)アルカン酸からなるオリゴペプチドのヘリックスならびにボウル構造2009

    • 著者名/発表者名
      赤染元浩, 後藤洋平, 助川順平, 松本祥治
    • 学会等名
      第5回ホスト-ゲスト化学シンポジウム
    • 発表場所
      宇都宮大学(宇都宮市)
    • 年月日
      2009-05-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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