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2009 年度 実績報告書

レセプターの感応力をスイッチングできるインテリジェント発光センサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21550134
研究機関岡山大学

研究代表者

岡本 秀毅  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (30204043)

キーワード蛍光 / センサー / スイッチング / フルオロフォア
研究概要

種々の指令に応じて,analyte感応性をスイッチングできる発光色素の構築を目標に,21年度は1-3の項目について検討した.
1. 発光色素の構築
1-1. 8-アミノキノリンのアミノ基をトリフルオロアセチル基で機能化し,センサー1を合成した.センサー1は塩基(例えばDBU)を添加することでアミド部位のプロトンを解離させ,アミデート型となり,アミド型とアミデート型の発光応答特性を観測することが可能である.
1-2. 8段階の合成ステップを経て,ビス(ピコリル)アミノレセプターを持つ2,3-アントラセンジカルボキシイミド誘導体,センサー2を構築した.
2. 基礎的光物理特性の観測
2-1. センサー1は350nm付近の紫外領域に吸収帯を持ち,それ自身はほぼ無蛍光性であることを確認した.
2-2. センサー2はビス(ピコリル)アミノ基からアントラセンカルボキシイミドクロモフォアへの光誘起電子移動により,蛍光はほとんど観測されないことを確認した.
3. センサーのanalyte応答性の観測およびスイッチングの検討
3-1. センサー1はアミド型で金属イオン,特に銅イオンやアルミニウムイオンがanalyteとして存在するときに,analyteがない場合に比べて顕著な蛍光強度を示した.一方,センサー1のアミデート型では,亜鉛イオンの添加により150倍程度の蛍光増大を示した.センサー1は当初目的とした,アミドーアミデート平衡に基づきanalyte感応性をスイッチングできるインテリジェントセンサーとして作動する可能性を確認した.このスイッチングの機構について,引き続き解明する予定である.
3-2. センサー2は,亜鉛イオンをanalyteとして添加した際に,顕著な蛍光増大を示すことを確認した.今後このセンサー2は今後,ルミノール類似のヒドラジド骨格へ誘導し,化学発光センサーへ展開する予定であるが,センサー2の亜鉛イオンに対する応答により,化学発光センサーの動作を制御する基礎データを得ることができた.
3-3. 3-フルオロアセチルアミノフタルイミド,センサー3がI^-とLi^+のペアに選択的応答をすることについて,応答のメカニズムを検討し,I^-の光イオン化がトリガーとなってセンサー3のアミドプロトンが脱離し,最終的に生成したアミデートイオンが選択的にLi^+と相互作用することを見いだした.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Superconductivity in alkali-metal-doped picene2010

    • 著者名/発表者名
      Ryoji Mitsuhashi, (他11名)
    • 雑誌名

      Nature 464

      ページ: 77-79

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Trap states and transport characteristics in picene thin film field effect transistor2009

    • 著者名/発表者名
      Naoko Kawasaki, (他4名)
    • 雑誌名

      Appl. Phys. Lett. 94

      ページ: 043310/1-043310/3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High performance C_<60> and picene field -effect transistors with conducting polymer electrodes in bottom contact structure2009

    • 著者名/発表者名
      Yumiko Kaj, (他9名)
    • 雑誌名

      Organic Electronics 10

      ページ: 432-436

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Low voltage operation in picene thin film field effect transistor and its physical characteristics2009

    • 著者名/発表者名
      Yumiko Kaji, (他10名)
    • 雑誌名

      Appl. Phys. Lett. 95

      ページ: 183302/1-183302/3

    • 査読あり
  • [学会発表] トリフルオロアセトアミド置換キノリン誘導体の亜鉛イオン及び銅イオンに対する蛍光応答性スイッチング2010

    • 著者名/発表者名
      岡本秀毅, (他2名)
    • 学会等名
      日本化学会第90春期年会
    • 発表場所
      東大阪
    • 年月日
      20100326-20100329
  • [学会発表] [3. 3]パラシクロファンの光化学反応2009

    • 著者名/発表者名
      岡本秀毅, (他2名)
    • 学会等名
      日本化学会西日本大会
    • 発表場所
      松山
    • 年月日
      20091107-20091108
  • [学会発表] トリフルオロアセタミド置換フタルイミドの蛍光挙動 : ハロゲン化物イオン及びイオンペアへの光応答2009

    • 著者名/発表者名
      岡本秀毅, (他2名)
    • 学会等名
      2009年光化学討論会
    • 発表場所
      桐生
    • 年月日
      20090916-20090918
  • [学会発表] フェムト秒レーザーパルスによるアントラセン光二量体の3光子分解反応2009

    • 著者名/発表者名
      八ッ橋知幸, (他3名)
    • 学会等名
      2009年光化学討論会
    • 発表場所
      桐生
    • 年月日
      20090916-20090918
  • [学会発表] Fluorescence behavior of 3 trifluoroacetylamino derivative of phthalimide : Photochemically induced response to Li+/I- ion pair2009

    • 著者名/発表者名
      Hideki Okamoto, (他2名)
    • 学会等名
      XXIVth International Conference on Photochemistry
    • 発表場所
      Toledo, Spain
    • 年月日
      20090719-20090724
  • [学会発表] ひかる色素の話2009

    • 著者名/発表者名
      岡本秀毅
    • 学会等名
      岡山県高等学校教育研究会理科部会総会講演会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2009-05-13

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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