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2011 年度 実績報告書

クラスター効果に基づくシクロファン多量体の合成および標的ゲストの捕捉と検出

研究課題

研究課題/領域番号 21550136
研究機関福岡大学

研究代表者

林田 修  福岡大学, 理学部, 教授 (20231532)

研究分担者 安東 勢津子  福岡大学, 理学部, 講師 (20078562)
キーワードシクロファン / ホストゲスト / 分子認識
研究概要

標的ゲスト分子に極めて強く結合できる機能性人工ホストとして、発散型および鎖状型シクロファン多量体の開発に取り組んだ。生体系でしばしば認められるクラスター効果の概念を考慮してシクロファン多量体の分子設計を行なった。発散型のシクロファン5量体の合成においては従来の合成法に替えて、高効率なクリックケミストリーを採用することで格段に合成効率を高めることができた。一方、鎖状型シクロファン多量体の合成においてはシクロファンの活性エステル体を鍵化合物として用いることで高効率な合成を達成した。すなわち、リジンやオリゴリジンペプチドのαおよびεアミノ基に対する鍵化合物のアミノリシスにより目的とするシクロファン2量体、3量体、4量体、5量体を高い収率で得ることに成功した。これら新規化合物の同定はNMR,IR,MSおよび元素分析などで行なった。また、これら発散型および鎖状型シクロファン多量体のゲスト捕捉能に関しては、蛍光性プローブを用いた蛍光滴定実験から検討した。発散型と鎖状型のシクロファン多量体において、個数の異なるシクロファン多量体のゲストに示すホスト:ゲスト(1:1)結合定数(κ)を定量的に評価することに成功した。一例をあげると、鎖状型シクロファン5多量体のゲストTNSに対するκはシクロファン単量体のそれと比べて92倍に増大することがわかった。シクロファンの個数とゲスト捕捉力の間の相関関係を求めることにも成功した。さらに、同様の蛍光実験から補捉されたゲストの分子運動性の評価も行い、これらシクロファン多量体はゲストと強く結合することがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of Peptide-Based Cyclophane Oligomers Having Multivalently Enhanced Guest-Binding Affinity2012

    • 著者名/発表者名
      Osamu Hayashida, Tomomi Nakashima
    • 雑誌名

      Bulletin of the Chemical Society of Japan

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1246/bcsj.20120076

    • 査読あり
  • [学会発表] ペプチドを基本骨格としたシクロファン多量体の合成とゲスト捕捉能の比較評価2012

    • 著者名/発表者名
      中島智美・中村勇気・林田修
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会
    • 発表場所
      慶応義塾大学
    • 年月日
      2012-03-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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