剛直ならせん構造を形成するポリグルタミン酸を中心に有機EL素子の正孔輸送材料としての適応性について研究を行った。(1)光伝導性カルバゾールを側鎖に導入したポリグルタメート(PCELG)が、青及び緑色エレクトロルミネッセンス(EL)素子の正孔輸送材料としてポリビニルカルバゾール(PVK)に匹敵する高EL効率を実現することを発見した。ポリペプチドを用いて光の三原色のEL発光を確認した最初の例である。また(2) PCELGを用いたEL素子は、スピンコート膜を成膜するときに溶解する溶媒に種類によって約20倍もEL効率に差が生じることを発見した。(3) EL効率の溶媒依存性がPCELG/ITO界面における高分子鎖の配向特性の違いを反映していることを明らかにした。
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