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2010 年度 実績報告書

バイオマス炭素資源の新規合成化学的利用

研究課題

研究課題/領域番号 21550147
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

森本 積  奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (10324972)

キーワード糖類 / グルコース / 触媒反応 / カルボニル化 / 有機合成
研究概要

本研究では、有望な未利用炭素資源としてバイオマス由来の糖類に注目し、それらの有用物質への新規化学変換法を開発することを目的とする。具体的には、様々なカルボニル化合物を直接的に合成できるカルボニル化反応において、糖類を一酸化炭素の代替試薬として利用することに重点を置いた。
1.ロジウム錯体触媒の存在下で、代表的な糖類であるグルコースを、炭素-炭素三重結合と二重結合を併せ持つエンイン類と反応させると、双環状ケトン類が得られることを見出した。同位体ラベル標識実験の結果、グルコースのアノマー炭素が選択的にロジウム触媒にこの化学反応では、グルコース誘導体からロジウム触媒により引き抜かれ、生成物のカルボニル基として導入されていることが明らかとなった。
2.糖類同様、自然界に広く分布する糖アルコールに注目し、代表的な糖アルコールであるマンニトールやグリセロールから容易に誘導できるグリセルアルデヒドを合成し、カルボニル化合物合成における炭素源としての利用を検討した。エンイン類のカルボニル化反応において、グリセルアルデヒド誘導体も炭素源として利用できることを見出した。カルボニル供給能は糖類に比べてはるかに高いものであった。
以上の成果は、糖類や糖アルコールの合成化学的な利用法とともに、従来毒性の高い一酸化炭素の利用に依存してきたカルボニル化反応を操作上安全に簡便に実施できる手法を提供するものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Utilization of Aldoses as a Carbonyl Source in Cyclocarbonylation of Enynes2010

    • 著者名/発表者名
      T.Morimoto
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: 75 ページ: 6279-6282

    • 査読あり
  • [学会発表] Highly Regio- and Enantioselective Hydroformylation Using Formaldehyde2010

    • 著者名/発表者名
      Tsumoru Morimoto
    • 学会等名
      2010 International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (PACIFICHEM 2010)
    • 発表場所
      Hawaii, USA
    • 年月日
      2010-12-18
  • [学会発表] アルデヒドの脱カルボニル化を基軸としたカルボニル化反応2010

    • 著者名/発表者名
      森本積
    • 学会等名
      第38回オルガノメタリックセミナー
    • 発表場所
      大阪大学理工学図書館(大阪府)
    • 年月日
      2010-11-22
  • [学会発表] ロジウム錯体によるアルデヒド類の脱カルボニル化を利用した新カルボニル化反応2010

    • 著者名/発表者名
      森本積
    • 学会等名
      第60回錯体化学討論会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪府)
    • 年月日
      2010-09-27
  • [学会発表] Rh(I)-Catalyzed Carbonylation Reactions Using Formaldehyde as the Carbonyl Source2010

    • 著者名/発表者名
      Tsumoru Morimoto
    • 学会等名
      China-Japan Symposium on Catalytic Organic Synthesis
    • 発表場所
      Tianjin, China
    • 年月日
      2010-09-25

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公開日: 2012-07-19  

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