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2011 年度 実績報告書

バイオマス炭素資源の新規合成化学的利用

研究課題

研究課題/領域番号 21550147
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

森本 積  奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (10324972)

キーワード単糖類 / 糖アルコール / 触媒反応 / カルボニル化 / 有機合成
研究概要

本研究では、持続的安定供給可能な未利用炭素資源としてバイオマス由来の糖類や糖アルコール類に注目し、それらの有用物質への新規化学変換法を開発することを目的とした。具体的には、様々なカルボニル化合物を直接的に合成できるカルボニル化反応において、これらの炭素資源を一酸化炭素の代替試薬として利用する技術の開発を目指した。
1.糖類と同様に自然界に広く分布する糖アルコールに注目し、代表的な糖アルコールであるグリセロールやマンニトールから容易に誘導できるグリセルアルデヒドを合成し、カルボニル化合物合成における炭素源としての利用を検討した。ロジウム錯体触媒の存在下で、グリセルアルデヒド誘導体を、炭素-炭素三重結合と二重結合を併せ持つエンイン類と反応させると、双環性ケトンが得られることを見い出した。グリセルアルデヒドのみの触媒反応の結果より、これが上記反応においてカルボニル単位を供給していることが明らかとなった。
2.糖類やその源であるセルロースから大量に製造されている2-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)が同様にホルミル基を有することに着目し、これをカルボニル供給源としての利用を検討した。項目1と同様の反応においてHMFを用いると、そのカルボニル単位が触媒により引き抜かれ高効率に生成物へ導入されることを見い出した。
以上の成果は、バイオマス由来の糖類や糖アルコール類の合成化学的な新規利用法を提供するものである。また、従来毒性の高い一酸化炭素の利用に依存してきたカルボニル化プロセスを、操作上安全かつ簡便に実施できる新手法を提供する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Rh(I)-Catalyzed Cyclocarbonylation of Enynes with Glyceraldehyde : An Available Carbonyl Source Derived from Sugar Alcohols2012

    • 著者名/発表者名
      池田圭一、森本積、津曲貴幸、谷本裕樹、西山靖浩、垣内喜代三
    • 雑誌名

      Synlett

      巻: 23 ページ: 393-396

    • DOI

      10.1055/s-0031-1290311

    • 査読あり
  • [学会発表] 一酸化炭素を用いない新カルボニル化法2011

    • 著者名/発表者名
      森本積
    • 学会等名
      第55回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会
    • 発表場所
      筑波市(招待講演)
    • 年月日
      2011-11-19
  • [学会発表] グリセルアルデヒドをカルボニル源としたエンイン類のロジウム触媒環化カルボニル化反応2011

    • 著者名/発表者名
      森本積、池田圭一、垣内喜代三
    • 学会等名
      第58回有機金属化学討論会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      2011-09-07
  • [学会発表] New Methods for Catalytic Asymmetric Carbonylation Reactions2011

    • 著者名/発表者名
      森本積
    • 学会等名
      2nd Annual World Congress of Catalytic Asymmetric Synthesis-2011 (WCCAS-2011)
    • 発表場所
      中国・北京(招待講演)
    • 年月日
      2011-08-10

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公開日: 2013-06-26  

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