本研究は、PCBの化学熱力学量(相対吸・脱着エンタルピー(δΔH)、同エントロピー(δΔS))を悉皆的に調査し、厳密な等溶出温度(IET)の存在や補償関係(δΔH-δΔS C)の成立を考察したものである。前者を改良Tukey法により検証し、後者をδΔHと δΔGThmの関係より解析・評価した結果、本系ではδΔH-δΔS Cは成立しているとみなせるが、IETは確認できないと判断された。しかし、隣接関係にある置換基対数で置換位置異性体をグループ化することにより、IETは観測される傾向にあり、化合物の同族性について化学熱力学の視点から新たな定義を提案することができた。
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