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2010 年度 実績報告書

高圧モジュレーションによるタンパク質の細胞内移送

研究課題

研究課題/領域番号 21550154
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

功刀 滋  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (70111929)

研究分担者 田中 直毅  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (60243127)
キーワードタンパク質 / 高圧 / 細胞内移送 / 塩基性ペプチド / 蛍光プローブ
研究概要

卵白タンパク質オボアルブミン(OVA)は熱凝集にともないナノサイズの線維状あるいは球状の凝集体を形成するが、その機構は脳神経疾患に関与するアミロイド線維の機構に類似することが指摘されている。OVAは免疫誘導における抗原モデル蛋白質に応用されており、その凝集機構の解明は抗原の細胞移行効率化技術開発において重要である。そこで本研究ではOVAの熱凝集の分子機構を遺伝子組換え技術と合成ペプチド断片を用いて調査した。
まず、OVAのアミノ酸配列をβ凝集予測アルゴリズムにより解析したところ、helixB、strand3A、strand4-5Bに高いβ凝集傾向が予測された。また、これらの領域に対応するペプチドは、熱処理によりアミロイド様線維を形成することが、電子顕微鏡やFTIRにより確認された。次にこれらの領域のValをAlaに置換したOVAの変異体を合成し、それぞれ線維形態能への影響を確認すると、helix B領域における変異体においてのみ線維形成が抑制されることが判った。さらに、OVAの線維に対してプロテアーゼで処理して揺らぎを有する部位をマッピングすると、N末端のヘリックス領域は切断されておらず、線維形成における核として機能することが確認された。以上の結果よりOVAの線維形成において、helix B領域が熱変性にともなってα-β転移して会合し、線維核となることが示唆された。この知見をもとに今後は塩基性ペプチドによって誘起されるOVAの微粒子化機構について調査する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The mechanism of fibril formation of a non-inhibitory serpin ovalbumin revealed by the identification of amyloidogenic core regions2011

    • 著者名/発表者名
      N.Tanaka, Y.Morimoto, Y.Noguchi, T.Tada, T.Waku, S.Kunugi, T.Morii, Y-F.Lee, T.Konno, N.Takahashi
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry

      巻: 286 ページ: 5884-5894

    • 査読あり
  • [学会発表] 蛋白質ゲルにおけるアミロイド線維形成機構と物性制御への応用2010

    • 著者名/発表者名
      森本裕未
    • 学会等名
      第59回高分子討論会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2010-09-15
  • [備考]

    • URL

      http://www.cis.kit.ac.jp/~bmebpc/index-j.html

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公開日: 2012-07-19  

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