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2011 年度 実績報告書

ユニークな配位構造を用いてヘムをトランスポートするタンパク質の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21550157
研究機関山口大学

研究代表者

小崎 紳一  山口大学, 農学部, 教授 (40280581)

研究分担者 右田 たい子  山口大学, 農学部, 教授 (90159161)
キーワードヘム / 受容体
研究概要

病原性細菌の中には、鉄が枯渇した環境においても生存を可能にするために、ヘムを鉄源として用いるシステムを有するものがある。こうしたヘム獲得のプロセスは、菌体外へと分泌されたHasAが、感染先の組織に存在すりヘムタンパク、例えば、ヘモグロビンなどから遊離したヘムを捕獲し、菌体外膜に存在する受容体HasRへとヘムを渡すことから始まる。次に、HasR、ABCトランスポーターなどを介して菌体内へと取り込まれたヘムは、ヘムオキシゲナーゼによって分解される過程で鉄を遊離する。これまでに、Pseudomonas aeruginosa由来のHasAは、TyrとHis残基をヘム鉄に配位させることによってヘムを掴んでいるのに対し、Yersinia pseudotuberculosis由来のHasAはTyrのみでヘムを掴めることがわかった。そこで、本年度は、これらHasAの更なる比較、違いの検証に取り組んだ。具体的には、ゲルろ過カラムを用いてヘムと結合したホロタンパクの会合状態を調べたところ、Pseudomonas aeruginosa由来のHasAはモノマーとして溶液中に存在しているのに対し、Yersinia pseudotuberculosis由来のHasAには、モノマーのみならず、ダイマーやオリゴマーが混在しており、平衡状態にあることがわかった。Yersinia pseudotuberculosis由来のHasAはPseudomonas aeruginosa由来のHasAと異なり、His配位子が欠落しているため、結果としてドメインスワッピングが起こりやすくなっているのではないかと推測した。現在、その構造を明確にするために結晶構造解析に向けて準備を進めている。今のところ、いくつかの結晶化条件で結晶が得られているという段階である。さらに、HasAからHasRへのヘムの移動を検証するために、ヘム受容体膜タンパクHasRの発現・膜画分の可溶化・精製に取り組んだ。今のところ、ウェスタンブロットでHasRの発現は確認されたが、HasRの発現が低く、様々な実験を行うには充分量のHasRを確保するには至らなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Regioselective glucosylation of trans-resveratrol in recombinant Escherichia coli expressing glucosyltransferase from Phytolacca Americana2012

    • 著者名/発表者名
      Ozaki, S., Imai, H., Iwakiri, T., Sato, T., Shimoda, K., Nakayama, T., Hamada, H.
    • 雑誌名

      Biotechnology Letters

      巻: 34 ページ: 475-481

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanism of heme uptake by heme acquisition system A2011

    • 著者名/発表者名
      Ozaki, S., Nakahara, A., Sato, T.
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 40 ページ: 362-363

    • 査読あり
  • [学会発表] 病原性微生物によるヘムの輸送機構2011

    • 著者名/発表者名
      小崎紳一
    • 学会等名
      錯体討論会
    • 発表場所
      岡山理科大学岡山
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] 病原性微生物によるヘム捕捉機構2011

    • 著者名/発表者名
      小崎紳一
    • 学会等名
      生体分子科学討論会
    • 発表場所
      筑波大学筑波
    • 年月日
      2011-06-23

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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