研究課題
(1)新規クロスリンカーの合成(代表者):新規クロスリンカーは、DNA結合部位、転写因子結合部位、両者をつなぐスペーサーの3つの部位からなる。それぞれのパーツとして、光反応で核酸塩基のチミンとシクロブタン環を形成するpsoralen、SNAP-tag付きの転写因子と特異的に反応するO^6-benzylguanine、PEGスペーサーを用いた。これら3つのパーツを組み合わせて、計3種類の新しいクロスリンカーを合成した。1つの化合物の合成には市販の試薬を原料として、10段階程度の合成ステップを要するが、再現性にも問題がないことを確認した。化合物の同定は、^1H NMR、^<13>C NMR、マススペクトル、元素分析などを組み合わせて用いた。合成した化合物のうちの1つは、市販のPEG試薬を用いて、長さをある程度自由に変えられると期待されるものである。(2)融合タンパク発現系の確立(分担者):エストロゲン受容体(ER)にSNAP-tagを含む3種類のタグを付けた融合タンパク質を設計し、実際に発現させることができるようになった。ここで、SNAP-tagはクロスリンカーとの架橋のために必要であり、他のタグは免疫沈降の際に抗体に認識される部分となることなどを想定している。ERの融合タンパクを用いたゲルシフトアッセイにより、タグがついても、ER結合配列に特異的に結合することを確認した。(3)新規クロスリンカーと融合タンパク質との架橋反応の検討(代表者、分担者):in vitroの系において、上記の融合タンパク質とその標的となるDNA、および合成したクロスリンカーを共存させると、ウエスタンブロッティングで高分子量のバンドが検出させた。これはクロスリンカーがタンパクとDNAを架橋した生成物である可能性があるため、今後詳しく検討する
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