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2011 年度 実績報告書

ナノインプリント技術を用いた有機薄膜太陽電池のデバイス化と高効率化

研究課題

研究課題/領域番号 21550170
研究機関横浜国立大学

研究代表者

迫村 勝  横浜国立大学, 工学研究院, 講師 (20235237)

キーワード有機薄膜太陽電池 / ナノインプリント / 光エネルギー変換 / 有機半導体 / 導電性ポリマー / 走査プローブ
研究概要

平成23年度は本研究課題の最終年度であり、有機薄膜太陽電池の竃極、有機層界面のナノ構造化を行ったデバイスを実際に作成し、デバイス機能について、詳しく調べた。変換効率の面では、フラット型のデバイスとほぼ同等のパフォーマンスを発揮し、さらには、ナノ構造界面に特徴的な電流、電位挙動も観測され、ナノ構造化デバイスのさらなる可能性を示すことができた。以下にその詳細を記述する。
今年度の研究では、ナノ構造化を行うマスターモールドとして、石英モールドと、DVDのポリカーボネート層を用いた自作モールドとを用いた。100nmのピッチ幅を持つ、ピラー型の石英モールドでは、DVDのラインスペースパターンよりも精細なパターンが得られるが、数度の使用で、マスター表面が汚れ、パターンの再現性が悪くなるという問題が生じた。DVDによるモールドは自作可能なため、繰り返し使用する必要は無いため、パターン再現性には問題はない。両者の結果を比較すると、パターン再現性が悪いとデバイス化にも影響し、デバイス機能も著しく低下することがわかった。キャリアー収集や励起子乖離を促進するナノ効果を得るためには、パターンの精細化が必須であるが、石英モールドを多数準備することはコスト面で難しいため、続く研究はDVDによるモールドを用いて、行った。前年度までの試みではナノ構造化デバイスのエネルギー変換効率は2.26%にとどまっていたが、アニール等、デバイス作成条件の検討を行い、3.51%の高い変換効率を達成できた。このようなナノ構造化デバイスについて、電極蒸着時のダメージを防ぐ目的で導入しているBCPバッファー層の膜厚依存性について、フラット型デバイスとは異なる挙動も見られた。通常使われるBCPの膜厚は10nm程度であるが、20nm以上の膜厚を用いても、ナノ構造デバイスでは、大きな機能低下は見られなかった。条件によってはフラット型デバイスよりも高い変換効率を発揮することが示されたことで、本課題の目的のかなりの部分を達成することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Thermal annealing effect on the photovoltaic properties of organic solar cells based on ZnPc/C60 and SubPc/C60 heterojunctions2011

    • 著者名/発表者名
      Byambasuren Delgertsetseg, Khayankhyarvaa Sarangerel, Chimed Ganzorig, Kazuyoshi Ueda, Masaru Sakomura
    • 学会等名
      International Symposium on Surface Science
    • 発表場所
      Tower Hall Funabori, Funabori, Tokyo, Japan
    • 年月日
      2011-12-14
  • [学会発表] 有機薄膜太陽電池の高効率化のためのLangmuir-Blodgett膜修飾による電極仕事関数の制御2011

    • 著者名/発表者名
      新保樹・迫村勝
    • 学会等名
      日本化学会第5回関東支部大会
    • 発表場所
      東京農工大学小金井キャンパス
    • 年月日
      2011-08-31
  • [学会発表] 有機薄膜太陽電池の有機層/電極界面のナノ構造化2011

    • 著者名/発表者名
      横倉優矢・迫村勝
    • 学会等名
      日本化学会第5回関東支部大会
    • 発表場所
      東京農工大学小金井キャンパス
    • 年月日
      2011-08-31

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公開日: 2013-06-26  

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