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2011 年度 実績報告書

フレキシブル酸化亜鉛色素増感太陽電池用インドリン色素の精密設計と評価

研究課題

研究課題/領域番号 21550180
研究機関岐阜大学

研究代表者

松居 正樹  岐阜大学, 工学部, 教授 (60108058)

研究分担者 吉田 司  岐阜大学, 工学研究科, 准教授 (90273127)
キーワード色素増感太陽電池 / 増感剤 / インドリン色素 / DFT計算 / 酸化亜鉛 / H会合体
研究概要

これまでのインドリン色素は、インドリン環の7位上にメチン基を介してアクセプター部位が結合したpush-pull型の分子構造を有していた。この種のインドリン色素の酸化電位は、ヨウ素のレドックス系レベルとのエネルギーギャップが小さいため、分子構造が限られていた。この点を改善するために、インドリン環の窒素上にp-フェニレン環を介してアクセプター部位のダブルロダニン環が配置された、新しいインドリン色素を分子設計、合成、性能評価した。DFT計算では、D149のHOMOとLUMOは、-5.07、-2.37eVであるのに対し、この新規色素(GU104)のHOMO、LUMOはそれぞれ-5.35、-2.60eVと計算された。実際、DMF中での電気化学測定によって、GU104の酸化電位(E_<ox>)は+0.44VvsFc/Fc+であり、D149の0.40Vよりも正側にシフトしていた。GU104は、クロロホルム中で、541nmに最大吸収波長(λ_<max>)を示し、Dl49のλ_<max>,(540nm)とほぼ同等であった。GU104を会合抑制剤のリソコール酸(LCA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、コール酸(CA)の存在下で酸化亜鉛膜を作成し、性能を評価した。その結果、変換効率は、LCA(3.93%)>CDCA(3.67)>CA(3.35)の順であった。これはこの順でJ_<sc>が大きいためであった。開放電圧(V_<oc>)とフィルファクター(ff)に大きな差はなかった。GU104の酸化亜鉛上での吸収スペクトルは、530nm付近に最大吸収を示した。この波長でスペクトルを規格化すると、470nm付近の吸収が、CA>CDCA>LCAの順で、ブロード化していることがわかった。これは、会合抑制剤の種類によって、GU104の酸化亜鉛上での会合体形成の割合が、CA>CDCA>LCAであることから、LCAが最も高い変換効率を示すと結論された。色素骨格の構造改変のみならず、共存する会合抑制剤の種類の選定も変換効率の向上に際して考慮しなければならないことがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] N-(2-Alkoxyphenyl)-substituted double rhodanine indoline dyes for zinc oxide dye-sensitized solar cell2012

    • 著者名/発表者名
      M.Matsui, T.Shiota, Y.Kubota, K.Funabiki, J.Jin, T.Yoshida, S.Higashijima, H.Miura
    • 雑誌名

      Tetrahedron

    • DOI

      Doi:10.1016/j.tet.2012.03.060

    • 査読あり
  • [学会発表] 新規インドリン色素の増感特性2012

    • 著者名/発表者名
      小野将臣、窪田裕大、船曳一正、松居正樹
    • 学会等名
      日本化学会第92春季年会,2 G3-18
    • 発表場所
      慶応義塾大学
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] 置換インドリン色素の酸化亜鉛色素増感太陽電池への応用2011

    • 著者名/発表者名
      塩田貴大、窪田裕大、船曳一正、松居正樹
    • 学会等名
      第42回中部化学関係学協会支部連合秋季大会,p.78,1K08
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011-11-05
  • [学会発表] フルオレン置換インドリン骨格を有する色素の開発2011

    • 著者名/発表者名
      東嶋伸治、三浦偉俊、窪田裕大、船曳一正、松居正樹
    • 学会等名
      第42回中部化学関係学協会支部連合秋季大会,p.79,1K09
    • 発表場所
      信州大学
    • 年月日
      2011-11-05
  • [学会発表] Highly Efficient New Indoline Dye Having Strong Electron-Withdrawing Group for Zinc Oxide Dye-Sensitized Solar Cell2011

    • 著者名/発表者名
      Shinji Higashijima, Hidetoshi Miura, Tomoki Fujita, Yasuhiro Kubota, Kazumasa Funabiki, Tsukasa Yoshida, Masaki Matsui
    • 学会等名
      The Fifth East Asia Symposium on Functional Dyes & Advanced Materials, P-A-8 (2011)
    • 発表場所
      杭州花港海航假酒店,杭州市,中国
    • 年月日
      2011-09-27

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公開日: 2013-06-26  

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