研究概要 |
屈折率が2を超える高屈折率ガラスであるBaTi_2O_5やLa_4Ti_9O_<24>組成ガラスは、無容器プロセスによる溶融・冷却によって、はじめてバルク状のガラスを得ることができる。これらのBaTi_2O_5やLa_4Ti_9O_<24>ガラスを起点としたガラスの安定性の向上や屈折率の制御のための組成開発を行うことが本研究の目的である。平成21年度には、これまで用いてきたガス浮遊炉の装置を基にして、試料室を更新し、レーザ照射を2方向にするなどにより、温度むらの少ない溶融条件を実現するように装置の改良を行った。ガラスの組成開発では、ガラス化範囲の広いLa_2O_3-TiO_2系ガラスを中心にこのガラスに対して、WO_3,Nb_2O_5,Ta_2O_5,GeO_2,ZrO_2,HfO_2,Y_2O_3,Gd_2O_3,Bi_2O_3,Al_2O_3, ZnO,CaO,SrO,K_2O,Na_2O,Li_2Oの第3成分をTiO_2を置換する形で添加し、無容器法の1つであるガス浮遊法を用いて、CO_2レーザを熱源として、溶融し、その後、急冷して、ガラスの作製を試みた。ガラス化できた試料について、熱分析を行いガラス転移点と結晶化開始温度を特定した。特に、ZrO_2の添加に関しては、組成とガラス転移点と結晶化開始温度の関係を詳細に調べ、La_2O_3-TiO_2-ZrO_2系ガラスにおいて最も熱的に安定な組成を見出した。さらに、屈折率と屈折率の波長依存性の分散の測定と評価を行った。
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