(1)酸化ガリウム光触媒の水の完全分解反応に対する反応効率の検討から、内部照射型反応器を用いたときの光触媒の最適濃度、最適撹拌条件、高圧水銀ランプの照射条件、反応温度の条件について明らかにした。さらに、量子収率を測定するために、前年度制作した装置を用いて300WHg-Xeランプの光源より発生する有効な光をさらにバンドパスフィルターでカットオフすることにより光強度が非常に弱くなり、1×10^<18>photon/hオーダーの光子フローの下では、10~20%程度であるが、量子収率に照射光の強度依存性が存在することが明らかとなり現在詳細を検討中である。 (2)酸化ガリウム光触媒の水の完全分解反応に対する酸化ガリウムバルクの修飾効果の検討から、Rh_<2-y>Cr_yO_3を助触媒にした時の有効な金属イオンの添加効果について検討し、新たにMgイオンの添加が有効であること、添加効果はZnイオンの添加と同様であることが判明した。さらに、種々のアルカリ土類イオン、Znイオン、Crイオンの添加効果からGaイオンとイオン半径が近い金属イオンの添加が有効であることが示唆された。さらに、酸化ガリウム光触媒の調製条件の最適化、特に、均一沈殿法による調製条件の最適化を行った。 (3)錯体重合法で調製したバリウム-タンタル混合酸化物では、同一の酸化物前駆体より2相以上の混合酸化物相を生成させた混合酸化物を光触媒として用いるとその成分酸化物の単相の光触媒と比較して、水の分解反応に対して非常に高い光触媒活性を示すことが判明した。 (4)(3)の知見に基づいてバリウム-チタン混合酸化物を調製し光触媒として用いたところ、BaTi_4O_9とBaTi_2O_5の混合相を持つ混合酸化物にRh_<2-y>Cr_yO_3を助触媒を組み合わせた光触媒が水の分解反応に対して高い活性を示すことが見出された。
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