研究課題/領域番号 |
21550196
|
研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
藤井 和子 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノスケール物質萌芽ラボ, 主任研究員 (90343871)
|
研究分担者 |
橋爪 秀夫 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノスケール物質萌芽ラボ, 主任研究員 (70343861)
|
キーワード | エネルギー移動 / 有機/無機複合体 / 層状・層間化合物 / 異種色素共存体 / ナノ二次元空間 |
研究概要 |
異なる機能性色素が、ナノオーダーの二次元空間に共存した異種色素共存固体材料の創製を目指して、本課題に挑戦している。機能性色素間でエネルギー移動等の反応が固体材料中で起こりえるからである。本年度は、異種色素共存系のナノレベルの構造と光発光特性の制御に取り組んだ。 異種色素共存系の構築方法を工夫することにより、クマリン/シアニン共存系をより広い範囲で構築することに成功した(ホスト複合体100gに対するシアニン量(x)は、、0.01~100mmol)。異種色素間距離は、出発組成におけるシアニン濃度により、比較的容易に制御できることが示された。すなわち、シアニン濃度が低い(x=0.01)時は、異種色素間距離は20nm以上に及ぶが、シアニン濃度が比較的高い(x=10)系では、殆ど全てのクマリンの近傍にシアニン色素が存在する。さらに、シアニン濃度が高く(x=100)なると、クマリンとシアニンの配向が変化し、蛍光発光挙動が大きく変化することが示された。 異種色素間距離がこの様な変化をするため、異種色素共存系で起こる異種色素間の反応も変化した。すなわち、シアニン濃度が低い時は、再吸収が主であるが、シアニン濃度が高くなると、エネルギー移動が支配的になる。 ナノレベルの構造についても研究を進め、非常に特徴的な構造モデルが提示された。クマリン/シアニン共存系では、クマリンが、無機層面に共有結合で固定されているため、シアニンの共存量がわずかであっても、シアニンの近傍には必ずクマリンが存在すると考えられる。
|