研究概要 |
我々は、FeSe1-xTex (0. 6≦x≦1)のas-grownと真空アニールした単結晶を用いて比熱測定を行い、電子比熱を見積もった。アニールを施した0.6≦x≦0.9の単結晶は、超伝導転移温度:Tcで明瞭な比熱のトビが観測されたことから、バルク超伝導がアニールによって誘起されることが分かった。これらの単結晶のT=0Kにおける超伝導凝縮エネルギー: U0, 熱力学的上部臨界磁場: Hc(0), 超伝導ギャップ:Δ0そしてΔC/(γn-γ0)Tc [ΔC :転移温度における比熱のトビ、γn :常伝導状態の電子比熱係数、γ0 :超伝導状態の0Kにおける残留電子比熱係数] を見積もった。これらより、x=0. 7において超伝導が最も強く、シングルバンドを仮定したBCS理論で見積もられた2Δ0/kBTcとΔC/(γn-γ0)Tc の値は、4.29と2.76になり、強結合超伝導が実現していることが分かった。
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