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2010 年度 実績報告書

その場X線回折によるシリコン基板上ヘテロエピタキシャル成長の観測と制御

研究課題

研究課題/領域番号 21560007
研究機関東北大学

研究代表者

花田 貴  東北大学, 金属材料研究所, 助教 (80211481)

キーワードX線回折 / 鉄シリサイド / 薄膜 / 構造転移 / エピタキシャル
研究概要

(1)昨年度購入したSi用電子ビーム蒸着セルからSiを安定して蒸着できるように、本年度はグラファイトるつぼを購入した。Si(111)上にGe、Siを蒸着し2次元成長期間での7×7から5×5への表面構造の変化、その後のGe島形成過程を観測した。(2)基板による全反射を取り入れた歪曲波ボルン近似(DWBA)を使用して散漫散乱のX線強度計算を行うために計算機を購入した。まず、Stepanovらの方法による擬似格子整合した多層薄膜からの動力学的回折強度計算のプログラムを作成した。これにより計算された反射・透過波を基本波としてDWBAにより、面内格子緩和した島からの散漫散乱強度計算を行う。(3)Si(001)上でのFeの熱反応堆積法によるβ-FeSi2薄膜の成長過程をX線回折で観測し、金属であり発光素子、太陽電池などへの応用には適さないα-FeSi2を含まない、半導体β単相膜が450℃で得られることを昨年度見出した。このβ単相膜をX線回折で調べると、結晶軸がわずかにずれた2領域に分裂しているように見える。7つの回折点について系統的に測定した結果、この分裂は面内方向のtwist回転ではなく、基板面垂直軸が傾いて生じていること、この垂直軸の傾斜は少なくとも45度ごとの8方位に向かって生じていることを見出した。さらに900℃までのアニールで、回折点の分裂は無くなりβ薄膜の方位がそろうことを観測した。バルクでβからαへの転移温度は950℃である。450℃の低温成長でSi基板とβ島の界面に形成されていた転位が、アニールによって解消されたと考えられる。これらの結果より、450℃成長とその後の900℃アニールにより、エピタキシャル成長したβ単相薄膜が得られることがわかった。これは連続膜でなく、平均高さ14nm、幅20nmの島からなり、量子ドットまたはMBE薄膜のテンプレートとして利用できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] BL13XUの超高真空X線回折装置による半導体薄膜に関する最近の成果2011

    • 著者名/発表者名
      花田貴
    • 学会等名
      SPring-8利用者懇談会表界面・薄膜ナノ構造研究会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2011-03-11

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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