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2009 年度 実績報告書

超伝導多重接合系の接合間相互作用による新しい巨視的量子効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560020
研究機関青山学院大学

研究代表者

北野 晴久  青山学院大学, 理工学部, 准教授 (00313164)

キーワード超伝導材料・素子 / ナノ材料 / 量子コンピュータ / 巨視的量子効果
研究概要

超伝導多重接合系として研究実績のあるBi_2Sr_2CaCu_2O_y(BSCCO)高温超伝導体単結晶を用い、FIB加工により作製した微小メサ形状の超伝導多重接合系における電流電圧特性を絶対温度1ケルビン以下の極低温まで測定し、以下のような知見を得た。まず、接合サイズを系統的に変化させて、電流電圧特性と接合形状の相関を調べたところ、巨視的量子トンネル(MQT)領域への交差温度およびスイッチング電流分布特性などが接合形状に強く依存して変化する振舞いを観測した。従来超伝導体を用いた単一超伝導接合系における過去の研究成果と比較した結果、この振舞は接合部を流れる超伝導電流密度の空間分布が接合形状や接合サイズに依存して変化することに起因していることが判明した。超伝導多重接合系では、接合サイズに比べてジョセフソン侵入長が短くなるラージ接合系の位相ダイナミクス解明が重要と考えられているが、本研究で得られた知見は、今後ラージ接合系の複雑なスイッチング電流分布特性の解明に重要な役割を果たすものと考えられる。
次に、集束化イオン(FIB)加工による残留Gaイオンが電流電圧特性に与える影響を検証するために、透過電子顕微鏡による多重接合部の観察を試みた。しかしながら、原子像レベルの透過電子顕微鏡観察に耐え得る薄片化試料の作製は予想以上に困難なことが判明し、透過電子顕微鏡による接合部観察には成功したが原子像観察には至らなかった。引き続き、良質な薄片化試料作製技術の蓄積が必要であると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Bi2212微小固有ジョセフソン接合におけるlong接合効果とMQT2010

    • 著者名/発表者名
      北野晴久, 他
    • 学会等名
      日本物理学会第65回年次大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-20
  • [学会発表] Bi系固有ジョセフソン接合における接合形状とスイッチング特性2010

    • 著者名/発表者名
      北野晴久, 他
    • 学会等名
      第57回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      2010-03-18
  • [学会発表] Bi2212微小固有ジョセフソン接合のスイッチング特性におけるサイズ効果22009

    • 著者名/発表者名
      石川一樹, 他
    • 学会等名
      日本物理学会2009年秋季大会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-27
  • [備考]

    • URL

      http://www.phys.aoyama.ac.jp/~W3-kitano/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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