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2011 年度 実績報告書

超伝導多重接合系の接合間相互作用による新しい巨視的量子効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560020
研究機関青山学院大学

研究代表者

北野 晴久  青山学院大学, 理工学部, 准教授 (00313164)

キーワード超伝導材料・素子 / ナノ材料 / 量子コンピュータ / 巨視的量子効果
研究概要

集束化イオンビーム(FIB)を用いてBi2Sr2CaCu20,(BSCCO)高温超伝導体単結晶を微細加工して作製される超伝導多重接合素子の接合数制御の研究に取り組んだ。従来法では接合数が数百個以上の素子しか作製できなかったが、FIB加工時の諸条件を再検討することにより、良好な電流電圧特性を示し、かつ接合数がわずか10個の超伝導多重接合素子の作製に成功した。この接合数制御の研究が予想以上に進展したため、当初実施を計画していたマイクロ波照射実験を延期して、10接合の超伝導多重接合素子における接合間相互作絹の研究を優先し、第1スイッチング事象から第4スイッチング事象までのスイッチング電流確率分布を低温領域(絶対温度4~40ケルビン)で測定した。
少数接合の超伝導多重素子による高次側スイッチング事象の系統的研究はこれが初めてである。さらに、自己発熱効果を抑えるためのパルス法による電流電圧特性の測定に取り組み、全接合の超伝導が破れる超伝導ギャップ領域を含む完全な電流電圧特性の測定に成功した。
次に、FIB加工(Gaイオンをイオンビームに使用)における残留Gaイオンによる超伝導特性の劣化を低減するため、素子作製プロセスにArイオンによるミリング加工を導入する研究を行った。Arイオンミリング時のマスク材料としてメタルマスクが有効であることを見出し、超伝導多重素子のブリッジ部加工にArイオンミリングを用いることにより、素子作製時間の大幅な短縮が図れることを見出した。現在、ブリッジ部加工用のメタルマスクを準備中であり、今後、新作製プロセスによる超伝導多重接合素子の作製を行い、残留Gaイオンによる特性劣化を定量的に評価していく予定である。また、今年度実施を延期したマイクロ波照射実験についても、現在、実験準備中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of junction geometry in crossover temperature to macroscopic quantum tunneling regime of intrinsic Josephson junctions2011

    • 著者名/発表者名
      H.Kitano, et al
    • 雑誌名

      Physica C

      巻: 471 ページ: 1210-1213

    • DOI

      doi:10.1016/j.physc.2011.05.161

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.phys.aoyama.ac.jp/~w3-kitano/index.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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