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2011 年度 実績報告書

鉄シリサイド強磁性相/半導体相人工格子の層間結合に及ぼす圧力効果とそのメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 21560022
研究機関福岡工業大学

研究代表者

武田 薫  福岡工業大学, 工学部, 講師 (90236464)

研究分担者 中西 剛司  福岡工業大学, 工学部, 准教授 (70297761)
キーワード鉄シリサイド / 超格子 / ヘテロ構造 / 量子井戸 / スピントロニ / 圧力効果
研究概要

巨大磁気抵抗効果の発見以来、スピン依存散乱を利用したデバイスの開発が進んでいる.従来、強磁性層間のスッチングは磁場のみで行われたが、近年スピン電流注入の試みが活発になっている.今日までFe3Si/FeSi2超格子積層膜を作製し非磁性層に半導体相FeSi2を採用し、半導体層の厚みの変化に依存して強磁性結合、反強磁性結合が誘起されることを確認し、良質の量子井戸層が形成さらに、磁気層間結合が強いことも見出している。半導体相は原子間距離の変化によって、電子構造が劇的に変化するので、圧力を印加することによって電子状態に変化をもたらす。層間結合の強磁性結合、反強磁性結合のスイッチングは半導体層の電子状態に対して敏感であると考え、半導体/強磁性体格子に対して層間結合に及ぼす圧力効果を探索している。これまでに2.7GPaまでの静水圧下でFe3Si単層膜、FeSi2単層膜、Fe3Si/FeSi2積層膜(AF結合、F結合)の電気抵抗を測定した結果、Fe3Si単層膜に対する電気抵抗の圧力効果は+0.6%/GPa以下、FeSi2単層膜の圧力効果は+1.0%/GPa以下変化することがわかっている。Fe3Si/FeSi2積層膜ではAF結合膜では+2%/GPa以下であり、F結合では+1.0%/GPa以下であることがわかっている。反強磁性結合の変化の方が、強磁性結合の変化より大きいので、結果として望ましいが、変化率の値が小さいので、明確な議論はできない。これらの測定は面内方向に測定電流を流すCIP構造であるので、変化率が小さいと考えられる。面直方向(CPP方向)での電気抵抗を測定することが必要である。これを実現するために、試料の電極構造を変えるために、マスク法、ドライエッチング法、電子線リソグラフィ法などを試みてきた。最近、電子線リソグラフィ法を使用することによって、面直方向測定の試料作製の可能性がでてきた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Current-Indced Magnetization Switching in Fe3Si/FeSi2 Artificial Lattices2012

    • 著者名/発表者名
      Ken-ichiro Sakai
    • 雑誌名

      Jpn.J.Appl.Phys.

      巻: 51 ページ: "0280004-1"-"0280004-2"

    • DOI

      DOI:10.1143/JJAP.51.028004

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Temperature-Dependent Current-Induced Magnetization Switching in Fe3Si/FeSi2/Fe3Si trilayered films2011

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichi Hirakawa
    • 雑誌名

      Jpn.J.Appl.Phys.

      巻: 50 ページ: "08JD06-1"-"08JD06-4"

    • DOI

      DOI:10.1143/JJAP.50.08JD06

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fe3Si/FeSi2人工格子の高圧下における電気抵抗測定2011

    • 著者名/発表者名
      中西剛司
    • 雑誌名

      福岡工業大学エレクトロニクス研究所所報

      巻: 28 ページ: 1-4

  • [学会発表] Current-Induced Magnetization Switching in Fe3Si/FeSi2 Multilayered films2011

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Sonoda
    • 学会等名
      第3回半導体・デバイスフォーラム
    • 発表場所
      熊本テルサ
    • 年月日
      2011-12-16
  • [学会発表] [Fe3Si/FeSi2]n人工格子CPP素子の創製に向けた基盤研究2011

    • 著者名/発表者名
      野田祐太
    • 学会等名
      第3回半導体・デバイスフォーラム
    • 発表場所
      熊本テルサ
    • 年月日
      2011-12-16
  • [学会発表] Fe3Si/FeSi2/FeSi3三層膜における磁場印可及び電流注入磁化反転の温度依存性2011

    • 著者名/発表者名
      野田祐太
    • 学会等名
      平成23年度応用物理学会九州支部学術講演会
    • 発表場所
      鹿児島大学工学部
    • 年月日
      2011-11-26
  • [学会発表] Current-Induced Magnetization Switching in Fe3Si/FeSi2 Multilayered films2011

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Sonoda
    • 学会等名
      The 13th Cross Strait Symposium on Materials, Energy and Environment Sciences MSP-8
    • 発表場所
      Kyushu University、Japan
    • 年月日
      2011-11-23

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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