研究概要 |
Ba(Zn_<1/3>Ta_<2/3>)O_3やBa(Mg_<1/3>Ta_<2/3>)O_3をベースとした物質は低損失誘電セラミックスとして広く利用されているが、今後はさらに誘電損失が小さい高品質な単結晶が必要になってくる。本研究では、非化学量論組成の溶融塩からBa(Mg_<1/3>Ta_<2/3>)O_3とBa(Zn_<1/3>Ta_<2/3>)O_3の単結晶を育成するための適切な条件を見つけるために、BaO-Mg(Zn)O-Ta_2O_5系の三元状態図を確立するために、1600℃以下の温度で異なる組成のBaO:MgO:Ta_2O_5のサンプルおよそ50個について、相成分比と各相の元素組成をX線回析および電子プローブ・マイクロアナリシス(EPMA)によって決定した。また、Ba_4MgTa_<10>O_<30>, Ba_9Mg4Ta_<20>O_<63>, Ba_9MgTa_<14>O_<45>, Ba_3MgTa_2O_9, Ba_3MgTa_8O_<24>, Ba_8MgTa_6O_<24>, Ba_<10>Mg_<0.25>Ta_<7.9>O_<30>のようなBaO-Ta_2O_5二元系の一部でBa-richの部分に形成されるべき様々な新しい相の存在を調べた。相図が確立された後、MgTa_2O_6, Mg_5Ta_4O_<15>, Mg_4Ta_2O_9, BaTa_2O_6, Ba_4Ta_<10>O_<29>, Ba_7Ta_6O_<22>, Ba_5Ta_4O_<15>, Ba_4MgTa_<10>O_<30>, Ba_9Mg_4Ta_<20>O_<63>, Ba_9MgTa_<14>O_<45>, Ba_3MgTa_8O_<24>およびBa_8MgTa_6O_<24>の単一位相を合成し、それらのマイクロ波とミリ波域における誘電特性(すなわち、tanδ,およびτfの誘電率)を測定した。
|