プラズマプロセスにおける基板上の電荷蓄積量や紫外線照射損傷量、入射するイオンのエネルギー分布や電子密度をウエハ上で測定する「オンウエハモニタリングセンサ」を開発している。本年度はオンウエハセンサの信頼性向上を検討した。オンウエハセンサの実用のためには、センサ本体のばらつき、測定のばらつきなどが物理的にどう生じ、測定結果にどう影響を与えるかを定量的に把握しておく必要がある。チャージアップセンサのSEM断面観察を27サンプル行い、作製プロセスの管理を行うことで、断面形状のばらつきを±5%以下に抑えることができた。測定ばらつきの原因として、ボンディングパッド部分が考えられたため、ボンディング材料、塗布面積を最適化後、チップ間・ウエハ間・ロット間の測定ばらつきを観察した。測定ばらつきは大きく見積もっても±15%以内に収まることを実際のデータにより示した。また、ばらつき形状がチャージアップ量にどう影響するかについて、シミュレーション技術を用いて調査したところ、±5%以下に抑えることができれば、形状が与える電圧変化量は電圧の測定誤差内に収まることを明らかにした。また、高バイアス印加時の測定不良の改善を試みた。測定不良の原因は測定ラインとチャンバの電位差が起因なので、プラズマ中の測定ラインをガラス管で囲い、導入端子をガラス基板に設置、抵抗による電圧ダンピング、RFフィルタによるRFの除去により、5kWまでの高バイアス印加(DC2kV)でも測定を実現した。
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