研究課題
"硬X線励起角度分解光電子分光法"とC-V測定、I-V測定の結果と組み合わせることで、電気的特性の優れた界面、また界面準位と固定電荷の物理的な起源および界面の熱安定性を明らかにすることを最終目的として研究を進めた。最終年度である平成23年度では、21年度に確立させた歪Geおよび歪Si基板の作製法およびHfO_2堆積法を用いて作製したHfO_2(10nm)/Si-Cap(0-5nm)/歪Ge(20nm)/SiGe/Si(100)構造をSPring-8のBL46XUにおいて硬X線励起角度分解光電子分光法でさらに詳細に評価した。特に平成23年度は、HfO_2中へのGeの拡散に及ぼすSi-Cap層の効果に注目し、特にGe2p光電子スペクトルとHf3d光電子スペクトルを詳細に解析した。なお、HfO_2の堆積温度は室温で、一部試料は酸素雰囲気中で、300℃、400℃の熱処理を行った。測定結果の解析から、(1)HfO_2層と歪みGe層が直接接触している場合、Geの酸化物が形成され容易にHfO_2中へ拡散すること、(2)HfO_2層と歪みGe層の間にSi-cap層を挿入した場合、未酸化のSi層が残っている場合だけでなく、未酸化のSi層が残っていない場合、すなわちすべてSiO_2層に変化しても、堆積および熱処理中のHfO_2へのGe酸化物の拡散が抑制されること、を見出した。これは、電気的特性の悪化を引き起こすGe酸化物のHfO_2中への拡散を薄いSi層を浅むことで抑制できることを意味する。また、これと並行してデバイスに必要な低抵抗コンタクトの実現のために、Ge中の不純物のSbの化学結合状態の評価を試みた。その結果は、Ge中のSbは、少なくとも2つの結合状態で分布していることを見出した。
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