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2009 年度 実績報告書

2次元検出器による共焦点電子顕微鏡法の実現

研究課題

研究課題/領域番号 21560036
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

三石 和貴  独立行政法人物質・材料研究機構, 量子ドットセンター, 主幹研究員 (40354328)

キーワード電子顕微鏡 / 共焦点電子顕微鏡 / 走査透過電子顕微鏡 / 3次元観察
研究概要

共焦点電子顕微鏡法は、光学顕微鏡で行われている共焦点顕微鏡の電子線版であり、試料の上に配置されたレンズ系によって電子線を収束させ、試料で散乱された電子を下のレンズ系によって検出器に再び収束し検出する手法である。この手法は、収差補正技術の発展によって上下のレンズ両方に収差補正装置を取り付けた装置が現実的になるにつれて、試料の深さ方向の情報を用意に、高分解能に取得する可能性がある装置として期待され研究が行われ始めている。
しかしながら、共焦点電子顕微鏡の高分解能化には依然、大きく二つの問題がある。
一つ目は、電子線では多重散乱の影響によりコントラストの反転などの複雑な振る舞いが予想される事。二つ目は試料より上のレンズ系で収束された電子のスキャン-デスキャン時のビームの同期、平高度等の調整の難しさである。
本研究では、これらの状況を踏まえ、シミュレーションによる像特性を明らかにすることと、検出器位置に電子線を振り戻すのではなく、2次元のCCD検出器を用いた共焦点電子顕微鏡の実現を目的とする。
これらにより、通常の電子顕微鏡を用いて共焦点光学系を実現することが可能となり、ひろく一般的に使われる可能性が広がる他、高分解能化にむけて大きな障害と考えられる、スキャン・デスキャンの角度を含めた同期・調整が不要となるためより容易に高分解能を達成することが可能となり、本手法の大きな発展が期待される。
本年度は本補助金によって購入した2次元スキャン同期データ取得装置によって、ビーム位置に対応した2次元CCDを取り込むことで4次元データを取得し、それぞれの2次元画像データに後処理によって強度最大の点を取ることで、ピンホール絞りによる共焦点電子顕微鏡像に対応した像を得ることに成功した。しかしながら像質は極めて悪く、有意な情報を引き出せる像とはならなかった。今後これらの原因の解明と、像質の向上を図っていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 共焦点走査透過電子顕微鏡法による3次元観察の可能性2009

    • 著者名/発表者名
      三石和貴
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会第53回シンポジウム
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都)
    • 年月日
      2009-10-31
  • [学会発表] Depth sectioning property of bright-field and annular-dark-field scanning confocal electron microscopy2009

    • 著者名/発表者名
      三石和貴
    • 学会等名
      FEMMS2009
    • 発表場所
      ハウステンボス(九州市)
    • 年月日
      2009-09-27
  • [学会発表] 円環暗視野共焦点STEM像のシミュレーション2009

    • 著者名/発表者名
      三石和貴
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会第65回学術講演会
    • 発表場所
      山台国際センター(仙台市)
    • 年月日
      2009-05-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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