研究課題/領域番号 |
21560042
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
興 雄司 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (10243908)
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研究分担者 |
渡邉 博文 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (30363386)
宮崎 真佐也 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 客員准教授 (70344231)
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キーワード | 色素レーザー / 有機光学材料 / 光導波路 / ディスペンス / プリタブルデバイス / ジメチルシロキサン |
研究概要 |
ディスペンススタンブ法とは基板とスタンブマスクの間の10ミクロンの間隔にメタクリル酸メテルなどの色素ドーププレポリマーを流して、通常描画型の光導波路よりも厚さの均一性を改善した新しい描画法であるが、平成22年までに利用したシリコン基板スタンプマスターではプレポリマーとの表面付着に起因する剥離時の問題があり良好な閣下が得られなかった、そこでポリジメチルシロキサン(PDMS)を利用したスタンプでの実験に全面的に移行して研究を継続した。前年成果として光ファイバー上への描画については導波路を細く、100ミクロン幅以下にすることを試みた。しかしながら、PDMSにおける有機溶媒の吸収性・膨潤性が高精度制御において大きな障害となり、平成22年度より進んだ結果を23年度中に得ることができなかった。しかしながら、知見として技術上の問題点として明らかになったのは、高粘度プレポリマー溶液中の溶媒成分のPDMSの浸透とそれによる膨潤である。さらに、PDMS表面とプレポリマー・ポリマー導波路の親和性を下げることでスタンプ脱離を容易にすることができるものの、同時にプレポリマーが表面張力でスタンプ・基板間に浸透することが困難となるトレードオフがあり、ディスペンスの針先端をスタンプ・基板の間に近接してプレポリマーを走査・注入するために40ミクロンという精密針などを採用する必要があった。 一方で、本研究の成果として精密針によるこれまでより高精度勝つフラットネスの優れた描画が当初の予想と異なる形で実現できている。トップフラット形状の制御として連鎖移動剤を利用して収縮と表面固化のバランスによりトップフラット形状をスタンプなしでも実現できる知見を得ることができた。また、40ミクロンの針の利用ノウハウの蓄積により、幅40ミクロン以下、厚さ700nm程度の台形断面を持つ導波路の作製に成功しており、この導波路断面も良好なものであった。
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