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2010 年度 実績報告書

カバーガラスの部分挿入による2波長レーザー発振とそのテラヘルツ波発生への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21560044
研究機関大阪府立大学

研究代表者

和田 健司  大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (40240543)

キーワード高性能レーザー / テラヘルツ / 半導体レーザー / 光伝導アンテナ
研究概要

研究初年度に,カバーガラスを光学エタロンとして内部に含む直線状の外部共振器820nm帯半導体レーザーを構成し,2波長同時発振を達成した.カバーガラスエタロンは,共振器内ビームに部分的に挿入することにより,フリースペクトラルレンジの6倍の周波数差をもつ2波長発振が得られた.この出力に対して,時間的安定性を保つために,半導体レーザーを温度制御するとともに防振対策を施した.これにより,2波長出力に対して,数10分間の時間的安定性を実現することができたが,長時間動作では,モード競合的な不安定発振に至ることが確認された.
そこで,研究2年目の平成22年度は,共振器内にカバーガラスエタロンを1枚追加して,さらなる時間安定性の向上をめざすことから始めた.この際挿入したカバーガラスエタロンは共振器内ビームに対して完全挿入することにより,半導体レーザーの利得ピークを低減させ,利得スペクトルが平滑化するように図った.この結果,時間的安定性は向上し,発振開始後,3時間以上経過した場合にも,安定した2波長同時発振を保つことができた.次に,この2波長発振出力をガリウムヒ素光伝導アンテナのギャップ間に集光し,2波長発振の波長差(周波数差)に相当するテラヘルツ波を発生させた.焦電型赤外センサを用いて測定したところ,光伝導アンテナへのバイアス電圧10V,2波長発振の平均出力25mW,2波長発振の周波数差1.033THzの条件において,60nW程度の平均強度をもつテラヘルツ波が発生することを確認した.また,部分挿入したカバーガラスエタロンを共振器内ビームに対して,傾けて配置することにより,例えば,1.97THz~2.26THzの区間で2波長発振の周波数差が可変となることも確認した.テラヘルツ波出力強度の向上と時間領域テラヘルツ分光システムの構築については次年度の課題とする.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Simple form of multimode laser diode rate equations incorporating the band filling effect2011

    • 著者名/発表者名
      K.Wada, H.Yoshioka, J.-X.Zhu, T.Matsuyama, H.Horinaka
    • 雑誌名

      Optics Express

      巻: 19 ページ: 3019-3036

    • 査読あり
  • [学会発表] 複合型光学エタロンを用いた2波長発振半導体レーザーによるテラヘルツ波発生2010

    • 著者名/発表者名
      福居秀敏, 木本琢也, 和田健司, 松山哲也, 堀中博道
    • 学会等名
      電気学会研究会(光応用・視覚研究会)
    • 発表場所
      大阪産業大学梅田サテライト
    • 年月日
      2010-12-27
  • [学会発表] 複合型光エタロンを挿入した外部共振器半導体レーザーからの2波長発振2010

    • 著者名/発表者名
      福居秀敏, 木本琢也, 和田健司, 松山哲也, 堀中博道
    • 学会等名
      日本光学会年次学術講演会 OPJ2010
    • 発表場所
      中央大学駿河台記念館
    • 年月日
      2010-11-09
  • [学会発表] 2波長発振外部共振器半導体レーザーの出力安定化2010

    • 著者名/発表者名
      福居秀敏, 木本琢也, 和田健司, 松山哲也, 堀中博道
    • 学会等名
      日本赤外線学会第20回研究発表会
    • 発表場所
      立命館大学びわこ・くさつキャンパス ローム記念館
    • 年月日
      2010-11-04

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公開日: 2012-07-19  

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