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2011 年度 実績報告書

カバーガラスの部分挿入による2波長レーザー発振とそのテラヘルツ波発生への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21560044
研究機関大阪府立大学

研究代表者

和田 健司  大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (40240543)

キーワード半導体レーザー / テラヘルツ / 光伝導アンテナ / テラヘルツ時間領域分光法
研究概要

研究最終年度の平成23年度は,一対の低温成長GaAs光伝導アンテナを用いて,テラヘルツ時間領域分光法(THz-TDS)の光学システムを構築した.光源には外部共振器半導体レーザーを構成して用いた.2枚のカバーガラスエタロンを共振器内に挿入し,一方は2波長発振の周波数差制御用として,もう一方は,出力の時間安定性保持用として利用した.厚さの異なるカバーガラス7枚(80,110,150,210,295,400,560μm)を用意し,1枚ずつ共振器内に部分挿入し,さらに挿入角を掃引(0~45度)することにより,2波長発振の周波数差が0.76~7.5THzの帯域を隙間なく覆うことができることを確認した.また,カバーガラス全挿入時の挿入角掃引(0~60度)も利用すると,離散的ながら0.15~0.76THzの帯域も埋められ,あわせてテラヘルツ域(0.1~10THz)の大部分を覆うことができることを確認した.この光源出力を構築したTHz-TDSシステムに入力し,0.15~1.15THzのテラヘルツ波を発生することに成功した.ただし,広帯域掃引にはカバーガラスの交換と光学調整が必要であることが難点として残された.また,理論式の導出と数値計算によって,THz-TDSにおけるフェムト秒モード同期パルスと2波長定常光をそれぞれ入力光とした場合の相違について検討した.その結果,最大周波数差と平均強度が等しければ,両者は等しい強度のテラヘルツ波を発生することを見積もった.これより,光伝導アンテナを用いるTHz-TDSでは,高速掃引可能な2波長レーザーが入力光源として有効であることがわかった.また,THz-TDSで観測される波形は,入力光の種類によらず相互相関波形であり,テラヘルツ波や入力レーザー光の時間波形を再生するには,デコンボリューションが必要であることもわかった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 共振器内に部分挿入したカバーガラスエタロンをもつ2波長発振レーザー2012

    • 著者名/発表者名
      和田健司, 酒井真梨子, 木本琢也, 松山哲也, 堀中博道
    • 雑誌名

      日本赤外線学会誌

      巻: 22巻1号(掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] THz時間領域分光法の妥当性確認とTHz波の時間波形の再構築2012

    • 著者名/発表者名
      和田健司, 木本琢也, 竹本直史, 橋井匠, 松山哲也, 堀中博道
    • 学会等名
      輻射科学研究会
    • 発表場所
      大阪府立大学学術交流会館
    • 年月日
      2012-03-26
  • [学会発表] 複合型光学エタロンを用いた2波長半導体レーザーの発振制御2012

    • 著者名/発表者名
      木本琢也, 竹本直史, 和田健司, 松山哲也, 堀中博道
    • 学会等名
      第59回応用物理学関係連合講演会
    • 発表場所
      早稲田大学・早稲田キャンパス
    • 年月日
      2012-03-15
  • [学会発表] 2波長発振外部共振器半導体レーザーを用いたテラヘルツ波発生2011

    • 著者名/発表者名
      木本琢也, 竹本直史, 和田健司, 松山哲也, 堀中博道
    • 学会等名
      日本光学会年次学術講演会OPJ2011
    • 発表場所
      大阪大学コンベンションセンター
    • 年月日
      2011-11-28
  • [学会発表] Stable Two-Wavelength Oscillation from External-Cavity Laser Diode Incorporating Cover Glass Etalons and Its Application to THz-Wave2011

    • 著者名/発表者名
      T.Kimoto, H.Fukui, K.Wada, T.Matsuyama, H.Horinaka
    • 学会等名
      IQEC/CLEO Pacific Rim 2011 Conference
    • 発表場所
      シドニーコンベンションセンター・オーストラリア
    • 年月日
      2011-08-29

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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