本研究では分光の透過型FDP(Four Detector Polarimeter)を製作し、それを偏光検出器に用いたリアルタイム分光エリプソメーターの開発を行った。開発においては、装置のキャリブレーションにおいて工夫を加え精度の向上を実現した。そして、開発した分光エリプソメーターを用いてシリコン基板上の酸化膜とガラス基板上の金膜の予備測定を行なった。シリコン基板上の酸化膜の場合、公称値130 nmに対して125 nmの値が得られ、また、金膜においてもその分光データΨ(λ)、Δ(λ)が他の分光エリプソメーターで得られたと値とほぼ一致した。これらの結果から、試作した分光透過型FDPならびにそれを組み込んだリアルタイム分光エリプソメーターが実用的にも満足のいく性能であることが確認できた。
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