研究課題/領域番号 |
21560047
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
大谷 直毅 同志社大学, 理工学部, 准教授 (80359067)
|
研究分担者 |
赤羽 浩一 独立行政法人情報通信研究機構, 第一研究部門, 主任研究員 (50359072)
|
キーワード | マイクロチューブ / 量子井戸 / 量子ドット / ウエットエッチング / ホトルミネッセンス / 第一原理計算 / ナノチューブ |
研究概要 |
本年度は積層量子ドットを活性層内に有するマイクロチューブの作製を行った。レーザ発振には活性層の体積を充分大きくする必要があるが、量子ドットを積層すると活性層の厚さが増すためにマイクロチューブの形成が困難になる。すなわち、格子不整合のInGaAs層と積層量子ドット(主にGaAs系材料)の関係において、GaAs系の膜厚が厚過ぎるとInGaAs層の格子不整合による応力が相対的に小さくなってしまいチューブ形成が不可能になる。そこで、2層の積層量子ドットからなる活性層において、層間の厚さを微小にするなどの工夫を行い、ウエットエッチングの条件出しを行った。その結果、フッ酸の濃度を最適化することにより2層積層の量子ドットであればマイクロチューブの作製が可能となった。 FD-TD数値シミュレーションにより、チューブ内を回転する光が基板に吸収されることがレーザ発振の阻害要因であることが分かってきた。そのため、チューブを基板から浮かした状態にできるように「コの字」型のパターンを考案してフォトマスクを設計した。フォトレジストをポジ型で行っていたが、位置合わせが困難であるためネガ型レジストを使用することとした。基板から浮いた状態のマイクロチューブの作製はまだ実現されていないが、基板の任意の位置に露光により溝を形成し、その両側にマイクロチューブを作製することができた。これまでは基板の劈開面からの作製のみ可能であったが、露光技術により所望の位置にマイクロチューブが形成できることとなった。
|